宅建業免許を受けた後、営業保証金の供託とは?

 

私は以前の記事で、営業保証金の供託または保証協会の保証金を宅建免許を受けるための要件の一つと考えてくださいと、書きました。厳密に言うと、これは間違いです。

 

宅建業免許は、営業保証金の供託または保証協会の保証金なしの事前審査で要件を満たしていれば、免許は通ります。

 

しかし、免許が出てから3ヶ月以内に営業保証金の供託または保証協会の保証金を支払わないと「免許証」が交付されず、許可が取り消しになる場合があります。

 

また、上記の支払がないと営業を開始することができませんし、支払いがなく営業をした場合は懲役および罰金の併科に処せられます。

 

そのため、行政書士や法律家の方々以外の方は、営業保証金の供託または保証協会の保証金は、宅建業免許を受けるための必要な要件の一つと認識ください。

 

さて、本日は、宅建業免許を受けた後の営業保証金の供託について解説したいと思います。

 

営業保証金の供託

 

宅建業を開始するためには、新規で免許を受けた後に、「営業保証金」を供託して、その供託受け入れの記載のある供託書の写しを添付(原本を提示)して、都道府県知事に届出をしなければなりません。

 

この届出がないと営業を開始することができませんし、支払いがなく営業をした場合は懲役および罰金の併科に処せられます

 

この営業保証金の供託および供託後の届出は、免許日から3ヶ月以内に完了しなければなりません。期日を経過すると免許を取り消されることになります

 

なお、免許を失効した場合に、新たに免許を取得した場合は、その新たな免許に対して営業保証金を供託しなければなりません。

 

供託する供託所は、都道府県の法務局供託課や所定の支局になります。保証協会に加入し弁済業務保証金分担金を支払いえば、営業保証金の供託の必要はありません

 

  • 供託額

 

主たる事務所(本店)
1,000万円
従たる事務所(支店等)
500万円(ただし1店舗につき)

 

※ なお、営業保証金は現金の他に、国債証券、地方債証券等の法令で定める有価証券および振替国債による供託も可能です。

 

  • 営業供託金の注意点

 

国債証券の消滅時効は、償還日の翌日から10年で完成します。消滅時効が完成すると、営業保証金が不足の状態となりますので、償還日の管理はくれぐれもしっかりお願いします。その他の有価証券は、時効を援用するかどうか、発行元や購入先でご確認ください。

 

現金で供託している場合は、宅建免許が有効であれば、時効は生じません。ただし、従たる事務所を廃止した場合の供託金は、廃止から10年を経過すると、取戻請求権が消滅時効を完成し、国に帰属します

 

まとめとして

 

宅建業法では、宅地建物の取引において事故が発生した場合、取引により生じた債務の弁済を一定範囲で担保するための措置として、予め国の「供託所」に法定の供託金を供託することにより、取引をした者は、その損害に相当する金銭の還付を受けることができるとなっています。この国の「供託所」に支払う供託金を「営業保証金」といいます。

 

さて、営業保証金を供託する以外の方法でも、宅建免許を受け営業する方法があります。それが、保証協会に保証金を支払う方法です。私の私見では、ほとんどの宅建業者がこの方法を取っているように思います。なぜならば予め支払う保証金の額が、保証協会の方が安いからです。

 

この保証協会に保証金を支払うことについては、次の記事で解説したいと思います。宅建免許の取得に当たっての難所の一つにこの保証金を用意することがあります。

 

建設業許可の場合は、求められる財産的基礎は500万円以上の資金調達能力のため、1日だけでも銀行の残高証明書が取れればクリアーできます。しかし、宅建業免許の場合は、基本的に営業を行う限り、保証金を供託し続けていなければなりません。要するにこれは、ストックし続けなければいけないということです。

 

そのため、最低限の財産的基礎にあたるものとして60万円(本店のみの保証協会の保証金)+αはないと始められないことになります。財産的基礎も重要な項目になりますので、予め行政書士にご相談することをお勧めします。