建設業許可を受けなくても工事ができる附帯工事とは?

 

建設業許可を受けなくても工事ができる附帯工事とは?この質問は、建設業許可に関するものの中で意外と問い合わせの多い部類のものです。そもそも附帯工事とは、建設業法によりどのように定義されているのでしょうか?下記の条文を先ずご確認ください。

 

建設業法第4条 (附帯工事)
建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。

 

上記のように条文ではあり、29の建設工事の業種に附帯することは差し支えないとなっています。

 

例えば、屋根工事の建設業許可を取得した建設業者が、屋根工事と当然に発生する塗装工事についても請負うことが可能だということになります。

 

ならば、当然に発生するような工事は、附帯工事と考えてなんでも可能なのでしょうか?このことに対して、「建設業許可事務ガイドライン」では、以下のように記載されています。

 

どこまでが附帯工事として認められるのか?

 

建設業の許可を受けていれば、それに附帯してあらゆる工事を受注しても差し支えないのでしょうか?それは、違います。基本的には主たる工事を施工するために必要を生じた他の建設工事または主たる工事の施工により必要を生じた他の従たる工事で、それ自体が独立の使用目的に供されるものでないものを附帯工事といいます。

 

このことについては、建設業許可事務ガイドラインに記載されていますので、ご確認ください。

 

建設業許可事務ガイドライン(平成13年4月3日国総建第97号 総合政策局建設業課長から地方整備局建政部長等あて)

最終改正:平成29年6月26日国土建第117号

 

附帯工事について

建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事のほか、当該建設工事に付帯する他の建設業に係る建設工事(以下「附帯工事」という。)をも請け負うことができるが、この附帯工事とは、主たる建設工事を施工するために必要を生じた他の従たる建設工事又は主たる建設工事の施工により必要を生じた他の建設工事であって、それ自体が独立の使用目的に供されるものではないものをいう。
附帯工事の具体的な判断に当たっては、建設工事の注文者の利便、建設工事の請負契約の慣行等を基準とし、当該建設工事の準備、実施、仕上げ等に当たり一連または一体の工事として施工することが必要又は相当と認められるか否かを総合的に検討する。

 

上記の記述ではわかりにくいかもしれませんが、それ自体が独立した工事ではなく、受注した工事を施工するためにしなければならない工事であるか、受注した工事を施工したことでしなければならなくなった工事のことをいいます。

 

  • 附帯工事の判断基準

 

附帯工事の判断基準は、上記のガイドラインに基づき総合的に判断されるべきものです。 そのため主たる工事と従たる工事の金額の大小で判断されるべきものではないのですが、附帯工事とは従たる工事ですので、原則として主たる工事の金額を上回るものではないと考えられています。

 

  • 附帯工事にならない場合

 

一式工事は、総合的な企画、指導、調整のもとに建設工事を完成させる総合的な工事のため、他の建設工事の附帯工事となることはないです。

 

  • 附帯工事の施工について(例示)

 

先ず、主たる工事が「屋根工事」で建設業許可を受け500万円(税込)以上を施工し、従たる工事「塗装工事」として軽微な工事(500万円(税込)以下)で受注する場合は、附帯工事と認められます。この場合、そもそも従たる工事である塗装工事は建設業許可が必要ありませんので制限はないです。

 

次に、主たる工事が「屋根工事」で建設業許可を受け500万円(税込)以上を施工し、従たる工事「塗装工事」として500万円(税込)以上で受注する場合は、どうでしょうか?

 

この場合は、主たる工事の金額を原則従たる工事が超えないことが必要です。

 

例)
主たる工事(屋根工事)金額:700万円(税込)
従たる工事(塗装工事)金額:500万円(税込)

 

さらに、従たる工事を自ら施工する場合は、各専門工事についての主任技術者の資格を持っているものを専任の技術者として配置することが必要です(受注した建設工事の主任技術者、監理技術者がその資格を持っている場合は、兼任可能です)。

 

自ら施工せずに下請に出す場合は、従たる工事にあった建設業許可を受けている業者に行わせる必要があります。

 

ただし、電気工事等の建設業許可以外の登録が必要な工事は、その登録が必要になります。

 

まとめとして

 

本日は、特によくある問い合わせの一つである附帯工事についての考え方を解説しました。繰り返しますが、

 

①原則主たる工事の金額を従たる工事の金額が超えないこと

②従たる工事が500万円(税込)以上を超える場合は、各専門工事についての主任技術者の資格を持っつている者を専任の技術者として配置すること、

③従たる工事が500万円(税込)以上の場合、下請に出す場合は、その工事の許可業者を使用することが、

 

3大原則になります。

 

建前として「建設業許可事務ガイドライン」に基づいて総合的に判断することとなっていますが、実務上の先例では、上記のようになります。そのため、多くの場合はこのように判断されます。

 

このように、判断に迷う場合は、自己判断をせず行政書士に予め確認することをお勧めします。