請負と売買の混合する契約である製作物供給契約の取扱!

 

以前、「業務委託契約!請負契約と委任・準委任契約の違いは?」に記事において、業務委託契約は、請負契約と委任・準委任契約を含む混合的な契約内容が往々として存在する旨について、以下のような内容を解説したことがあると思います。

 

実際に業務委託契約を締結した場合、請負契約なのか委任・準委任契約なのか区別がしがたい場合が往々として存在します。そのため、契約書の表題や条項に請負契約と明記されていても、必ずしも請負契約の考え方で解決できるわけではありません。例えば、市場調査を委託する場合に、単に市場におけるニーズ等を調査する合意ならば準委任ですが、調査結果に基づいて商品販売戦略の提案まで行うことを合意したならば請負契約になります。また、継続的な契約の場合には、個別の契約によって判断する場合や混合型として判断される場合もあります。

 

世間の契約形態の中には、法律によりその契約の種類が規定されている契約(典型契約)を超えた契約内容が存在します。その中には、一般的な典型契約をミックスした混合契約的なものなど、多種多様です。

そのため、社会の進歩や多様性の許容により、予め双方による合意内容が重要性を占めるケースが、典型契約により定める内容よりも比重が大きくなるケースが増えてくると予測しています。業務委託契約は、請負と委任・準委任の混合的要素を含む契約として先駆け的なものと私は考えます。

さて、業務委託契約は、請負と委任・準委任の混合的要素を含む契約ですが、この他に請負と売買の混合的要素を含む契約というものも世の中には存在します。

代表的なものとして、「製作物供給契約」です。こちらも広い意味で、業務委託契約として契約書に表記される場合もありますので、内容について確認が必要に思います。

 

いわゆる製作物供給契約とは、当事者の一方が、相手方の注文に応じて、専らまたは主として自己に属する材料を用いて制作したものを供給し、相手方がこれに対し報酬を支払う契約。例えば、家屋の建築、機械や洋服の制作などがこれにあたる(ブリタニカ国際大百科事典)。

 

製作物供給契約は、制作の点では請負の性質をもちますが、報酬との引き替えにより所有権を移転する点では売買の性質をもちます。

このような混合的な要素を含む場合には、どのようなことに注意して契約書を作成すべきでしょうか?本日は、この製作物供給契約についての取扱について解説をしたいと思います。

 

製作物供給契約の契約上の取扱

 

製作物供給契約とは、相手方の注文に応じて仕事を完成させる請負的な性格と、製作物の売買の性格との両方が含まれています。

 

① 請負とは、請負人が仕事の完成を約して、注文者がその仕事の完成に対して、一定の報酬の支払いを約する契約のことによって、その効力を生ずる(民法第632条)。
② 売買とは、当事者の一方が目的物の財産権を相手方に移転し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを内容とする契約である(民法第555条)。

 

基本的に製作物供給契約契約の場合、特約がなければ、民法上、製作については請負、制作物の取引については売買の規定が適用されます。また、性格上請負と売買契約の両規定が適用または準用される混合契約であると判断されることが少なくありません。

そのため、売買契約となると、製品に瑕疵があった場合には、商業上取引では瑕疵担保責任が6ヶ月間しか責任追及できません。請負契約とされると、注文者は、仕事の完成までの間はいつでもその損害を賠償して解除することができ(請負人は、契約解除はできません)、債務不履行責任(5年間)も瑕疵担保責任も追及できます。

そのため、どれが請負契約でどれが売買契約なのか、予め双方の具体的な取り決めが重要になる契約になります。

 

まとめとして

 

製作物供給契約契約も含めて業務委託契約など混合契約の要素を多分に含む契約を行う場合、必ず契約書の雛形作成や文案など専門家の意見を聞くようにしてください。

また、業務上このような契約をメインで行うのであれば、弁護士さんや行政書士と顧問契約を行うようにしてください。

弁護士さんと行政書士の違いについてですが、弁護士さんは契約に対して契約者双方の間に入り、契約書の作成や契約交渉を行うことができます(双方代理権あり)。対して、行政書士は、あくまでも依頼者自身が取りまとめた契約の内容を、法律的な文言に訳して文書化することになります(双方代理権なし)。

そのため、行政書士への依頼の場合は、あくまでも代書であるという認識のもと、契約書の文案の作成という意味でご依頼ください。