「2019年改正入管法対応」業種別の雇用可能な在留資格は?

 

前回、「「2019年改正入管法対応」事業主が行うべき在留カードの確認事項とは?」において、不法就労に関し雇い主が無過失であることに必要な条件としての在留カードの確認事項について解説させていただきました。

本日も前回に引続き「外国人労働者雇用マニュアル(東京都治安対策課)」に沿って外国人労働者の雇用に関する解説を行いたいと思いますが、今回は特に外国人労働者の雇用が増えている「食品関係」、「製造関係」、「建設関係」についての雇用可能な在留資格について解説をさせていただきたいと思います。

もちろんこの内容には例外もありますので、雇用の前には必ず行政書士へご相談をお願いします。

 

我が国に入国する外国人は、全て「出入国管理および難民認定法(入管法)」により規定された在留資格が与えられます。この在留資格は29種類あり、在留資格ごとに、その範囲内で活動が認められています

 

業種別の雇用可能な在留資格

 

以下に「食品関係」、「製造関係」、「建設関係」についての雇用可能な在留資格をあげたいと思います。なお。「技能実習」「特定技能」については、今回の趣旨とは若干異なるため、別途記事を立てて説明をしたいと思います。

 

技能実習」については、研修を行う者との関係によります。そのため一概に度の業種なら雇用可能か否かの判断からは除外します。「特定技能」については、特定産業分野14業種において予め試験を行い、合格したものに対して付する在留資格になります。在留資格の範囲内では就労が可能なため今回の解説からは除外します。

 

  • 食品関係で雇用できる在留資格は?

 

ウエイトレス、ウエイター、コンビニ等の店員として雇用する場合
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、留学、家族滞在
調理師・コックとして雇用する場合
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、技能、留学、家族滞在
※ 調理師として免許は別途必要です。
※ 「技能」は外国料理の調理師や外国特有の食品の製造に係る業務が対象です。
ホステス、ホスト等風俗営業の従業員として雇用する場合
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者
※ 留学、家族滞在の資格の場合、「資格外活動許可」があっても雇用できません。また興業では接客行為はできません。

 

  • 製造関係で雇用できる在留資格は?

 

通訳や技術者として雇用する場合
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、技術・人文知識・国際業務、留学、家族滞在
※ 通訳や技術者として稼働する者が、事務員等を兼務することは可能です。
事務員として雇用する場合
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、留学、家族滞在
製造過程の作業員として雇用する場合
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、留学、家族滞在

 

  • 建設関係で雇用できる在留資格は?

 

建築現場での作業員として雇用する場合
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、留学、家族滞在
事務員として雇用する場合
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、留学、家族滞在
※ 通訳や技術者として稼働する者が、事務員等を兼務することは可能です。
配送等の運転士・作業員として雇用する場合
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、留学、家族滞在
※ 運転には車両に応した運転免許が必要です。

 

留学、家族滞在の在留資格の方は、「食品関係」、「製造関係」、「建設関係」の業種で雇用することは可能ですが、必ず「資格外活動許可」を事前に取得する必要があります。

 

雇用後の手続

 
労働施策総合推進法に基づき、外国人を雇用しているすべての事業主の方は、外国人労働者(「特別永住者」および「外交」、「公用」の在留資格を除く)の雇用または離職にさいして、「外国人の雇用状況に係る届出」をハローワークに届け出なければなりません。

このことは、アルバイト、パートの方や短期間のアルバイトの方についても必要です。

上記の外国人の雇用状況に係る届出を怠ったり、虚偽の届出を行うと、30万円以下の罰金に事業主は処せられます。

 

  • 外国人の雇用状況に係る届出の届出先

 

雇用保険の被保険者である外国人
当該外国人の雇用保険手続を行っている事業所を管轄するハローワーク
雇用保険の被保険者でない外国人
当該外国人の稼働する事業所を管轄するハローワーク

 

まとめとして

 

今回、最近増えている3つの業種についての「業種別の雇用できる在留資格」について解説しました。

この中で特に行政書士への相談が増えている在留資格として、多いのが、留学生の資格外活動許可や技術・人文知識・国際業務への資格変更です。

留学生の状態では、本来就労は不可能ですが、資格外活動の許可を取得することで「1週間の就労可能時間が28時間以内(1日8時間以内)」ならば就業が可能になります。

また、留学生が大学などを卒業し、日本の企業に就職し引続き在留する場合は、技術・人文知識・国際業務の在留資格を取得することで企業で概ね普通に勤務が可能になります。

さて、話は変わりますが、自国民が「海外に出稼ぎ目的で行くこと」は、本来その国の恥なのです。

要するに、国自体の経済が好ましくないから自国民が海外に出稼ぎに行くわけです。必要なことは、国民全体で自国の経済を盛り立てる努力が最優先なはずです。

そのため、どこの国でも「出稼ぎを目的とした在留資格」は、本来設けていません。このことは、日本も同じです。

基本的に就労可能な在留資格は、「日本に貢献もしくは日本の技術移転等の建設的な国際貢献」を目的としています。近年、ここを勘違いしている外国人の方が、非常に多く散見します。