「2019年改正入管法対応」事業主が行うべき在留カードの確認事項とは?

 

前回より、「外国人労働者雇用マニュアル(東京都治安対策課)」に沿って外国人労働者の雇用に関する解説を開始しました。

前回の記事「「2019年改正入管法対応」雇用できない外国人について」において、事業主が雇用すると不法就労助長罪に問われるケースを解説させていただきました。

この記事中で、この不法就労助長罪は「不法就労の事実を知らずに誤って雇用した場合のように「過失がない」場合は適用されません。」という記載があったと思います。

要するに、善意無過失である事業主が不法就労の事実を知らないでその外国人労働者を雇用した場合は、上記の罪に問われません。

当然、不法就労の事実を知りながらその外国人労働者を雇用した場合は、罪に問われることは異存ないと思われますが、「不法就労の事実を知らずに誤って雇用」したことにたいして「過失がない」ということに対しては少し疑問に感じる部分があるかと推察します。

過失がない」とは、どのような行為を雇い入れの前に行っていれば該当するのでしょうか?

本日は、「これだけやれば無過失!雇い入れの前に事業主が行うべき在留カード等の確認事項」について解説をさせていただきたいと思います。

 

これだけやれば無過失!雇い入れの前に事業主が行うべき在留カードの確認事項

 

万が一、不法就労者を雇用してしまい、雇い主である事業主などが不法就労助長罪に問われないためには、その雇用に対して一定の確認作業を行っていることが必要です。

この一定の確認作業が①在留カードの有効性の確認と、②在留カードの記載事項の確認です。

この確認作業を行い、不法就労に該当しないとして雇い入れる場合は、万一不法就労であった場合でも雇い主などは「不法就労の事実を知らずに誤って雇用したことにたいして過失がない」となり不法就労助長罪に問われなくなります。

それでは、確認作業について解説をさせていただきたいと思います。

 

在留カードとは何か?」についての疑問には、「中長期在留者に発行される在留カードとは、どのようなものか?」においてご確認ください。

 

  • ①在留カードの有効性の確認

 

入国管理局のホームページ上で在留カードおよび特別永住者証明書(以下「在留カード等」といいます)の番号の有効性を確認できます。

在留カード等番号失効情報照会 」画面から、在留カードの番号有効期間を入力すると、当該番号が有効か否かが確認できます。

なお、結果は在留カード等の有効性を証明するものではありませんので、併せて「偽変造防止対策」についてもご確認ください。

 

在留カード等番号失効情報照会 」画面から、在留カードの番号有効期間を入力して有効性を確認します。
偽変造防止対策」の画像をもとに、偽造された在留カードでないことを確認します。

 

この2つの確認作業により、在留カードが有効であるか否かの確認に対する雇い主の一定の責任を果たしたことになります。

 

  • ②在留カードの記載事項の確認

 

上記の在留カードが有効であるか否かの確認作業において有効性が確認が取れた後に、在留カードの記載内容と実際の雇用条件などについて確認作業を行います。

具体的な在留カードの確認項目は、以下の10項目になります。

 

氏名
通称名は記載されません。
在留資格
在留資格のない者には在留カードは交付されません。
在留期間(満了日)
満了日が経過している場合は、不法滞在になります。ただし、更新許可または資格変更許可の申請中の者は満了日から2ヶ月経過するまでまたは申請結果が出るまで②の在留資格のまま滞在できます。
住居地
変更がある場合は裏面に記載されます。
就労の制限
・「就労制限なし」→就労ないように制限はありません。
・「在留資格に基づく就労活動のみ可」→②の在留資格で定められた就労活動のみできます。
・「指定書記載機関での在留資格に基づく就労活動のみ可」→⑩の指定書により就労活動が特定されています。
・「指定書により指定された就労活動のみ可」→⑩の指定書により就労活動が特定されています。
・「就労不可」→原則就労できません。ただし、裏面の⑦資格外活動許可欄が許可となっていれば、記載内容の制限を超えない範囲で就労することができます。
顔写真
在留カードの有効期間の満了日が16歳の誕生日までとなっているカードには写真は表示されません。
資格外活動
許可を受けていればこの欄に記載されます。
申請欄
在留期間更新許可申請中または、在留資格変更許可申請中であればこの欄に記載されます。
後日交付印
入国時に在留カードが交付される空港は、成田、羽田、中部、関西、新千歳、広島、福岡だけで、それ以外の空港等では、旅券に「在留カード後日交付」の記載がされます。
指定書
指定書を持っていても就労できない者もいます。就労の可否は指定書の内容により決定されるため、よく確認ください。

 

在留カードの記載事項の確認は、以上になります。

 

まとめとして

 

雇い入れの前の事前確認は、上記の①在留カードの有効性の確認と、②在留カードの記載事項の確認です。

この作業を怠った場合は、もしも不法就労に対して罪に問われても、不法就労に関して善意無過失であったことに対する証明が非常に困難になります。

かならずこの2つの確認作業は、どのような場合でも行うようにしてください。

なお、外国人労働者の雇い入れに関して、ご不明な場合は、事前に行政書士にご相談ください。入管法分野において一番実績のある法律家は、日本では行政書士になります。