性風俗特殊営業にあたる11種類とは何か?

 

以前「風俗営業許可は、どのような営業に必要なの?」の記事の中で、「風俗営業とは、性風俗産業をさすのではない」旨を解説させていただきました。

風俗営業とは、接待飲食等営業(キャバレー、ラウンジ、低照度飲食店、区画席飲食店)や特定遊興飲食店営業(クラブ、ライブハウス)遊技場営業(パチンコ、麻雀店、ゲームセンター)をいい、都道府県公安委員会の許可が必要です。

対して、性風俗産業を意味する「性風俗特殊営業」は、店舗型性風俗特殊営業(ソープランド、ファッションヘルス、ストリップ、ラブホテル、アダルトショップ、出会い喫茶)や無店舗型性風俗特殊営業(デリヘル、アダルト通販)、映像配信型性風俗特殊営業、テレクラなどをいい、都道府県公安委員会の届出が必要です。

今回は、この「性風俗特殊営業」の種類について、法律上どのように定義されているのかについて解説をさせていただきたいと思います。

 

11種類の性風俗特殊営業とは

 

性風俗営業は届出制が採用されております。この経緯は、まず、売春防止法により成立以前に合法だった管理売春を一律に禁止しました。そのため、合法的に売春産業に従事する人間に対し、国が正当な理由(法令違反などによる資格剥奪など)なしに事後法で権利をはく奪してしまうことになります。

法令上、権利をはく奪する行為は「剥権行為」といい、その者に正当な理由(法令違反などによる資格剥奪など)なしに行うことはできません。

そのため、事後法で売春行為を禁止した場合、従来より売春を業としていた個人には「既得権」として売春宿の営業が特別に認められることになります。

さて、時が経過し既得権を持った者がやめたりして売春宿がなくなったかとみえましたが、売春宿のシステムやノウハウ自体は世の中に残ります。

売春防止法の方の目を逃れて、新たに売春に近い行為を営業にするものが現われます。当然、新たに解釈や法改正などの対応策も考えられますが、ここでも従来より業としていた者には「既得権」が発生してしまいます。

このようなことを繰り返しながら、今日に至っていますが、ここで大切なことは、「国は売春を認めていない」という原理原則があり、売春行為については今後浄化させる方針だからです。

そのため、性風俗特殊営業(売春に近い行為を営業)を許可制にすると、よもすると上記の原理原則を犯すことにもなりまねません。例えば「無店舗型デリヘル」を許可してしまうと、このビジネスモデルを国家公認にしたことになってしまうからです。

許可ということは、国が「許可を与えることは、正業として認めた」ことにもなり、浄化することが困難になります。そのため、性風俗特殊営業(売春に近い行為を営業)の実態把握および売春行為等の防止を名目に「届出制」に留めているのです。

それでは、国が届出制にしている性風俗特殊営業とは、どのようなものがあるのでしょうか?以下に、ご紹介したいと思います。

 

6種類の店舗型性風俗特殊営業:店舗を設営して、そこでサービスを提供する形態の営業をいいます。

1号営業 ソープランド
2号営業 ファッションヘルス
3号営業 ストリップ、個室ビデオ
4号営業 ラブホテル
5号営業 店舗型アダルトショップ
6号営業 出会い喫茶

 

2種類の無店舗型性風俗特殊営業:店舗を設営しないで、自宅または事務所で電話やインターネット、E-メールを通じて顧客から注文を受けて、従業員や商品を顧客に対し配送する形態の営業のことです。

1号営業 派遣型ファッションヘルス(デリヘル)
2号営業 アダルトビデオなどの通信販売業

 

映像配信型性風俗特殊営業:希望する顧客に対して成人向けアダルト動画や画像を送信して、対価を徴収する営業のことです。

 

店舗型電話異性紹介業:入店型のテレクラのことをいいます。

 

無店舗型電話異性紹介業:無店舗型のテレクラのことをいいます。

 

基本的に、「店舗型性風俗特殊営業」については、新たな開業は難しく(まず無理に)なっています。新たな開業で多いものとしては、「無店舗型性風俗特殊営業」と、「映像配信型性風俗特殊営業」になります。

 

まとめとして

 

性風俗特殊営業に関する新たな開業の相談で、多いものは、「無店舗型性風俗特殊営業」と、「映像配信型性風俗特殊営業」です。その他は、現在非常に難しい(まず無理)です。

性風俗産業自体、国が急速に浄化している最中であることにも関係しますが、世界的にサブカルチャーに対する考え方の変化にもよると思います。

とにかく、性風俗特殊営業は今後浄化の可能性のある不安定な営業でもありますし、国が正業として認めていないものでもあります。

運営にあたっては、専門の行政書士(特に警察のOBなど)と顧問契約をして行うケースが一般的です。