産業廃棄物収集運搬業の許可を取得した場合、扱う産業廃棄物の種類を追加する場合はどうすればいいのか?

 

以前、「産業廃棄物処理業の許可は、基本的に都道府県知事の許可を受けなければいけない!」において、産業廃棄物の収集運搬業や処分業を行う場合は、事前にその業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の許可を受ける必要がある旨を解説しました。

 

それでは、取り扱う産業廃棄物の種類など予め許可を得ていた事業の範囲を変更する場合などは、どうなのでしょうか?前回「許可を取得すれば、他県でも産業廃棄物収集運搬業を行うことはできますか?」の記事中で、産業廃棄物処理業の許可は「当該業を行おうとする区域」に対する許可であると説明し、建設業の許可のように営業所を前提条件にした許可ではないといいました。

 

そのため、もしも同一の区域ならば特に届出や許可は必要なさそうに感じられる方もいらっしゃるかと思います。

 

結論から申し上げれば、「事業の範囲」の変更に該当するものは、都道府県知事の許可を受けなければなりません。そのため、先に申し上げたものは「取り扱う産業廃棄物の種類を増やす場合」に該当し、都道府県知事の許可が必要です。

 

なお、事業の範囲の変更に該当し、都道府県知事の許可が必要な変更は以下のものになります。

 

収集運搬業または処分業で、取り扱う廃棄物の種類を増やす場合(限定解除含む)
収集運搬業で石綿含有産業の取扱を無から有に変更する場合
収集運搬業で「積替え保管を除く」から「積替え保管を含む」許可に変更する場合
処分業で、処分方法を変更または追加する場合(例:処分方法切断に新たに粉砕を追加等)

 

上記の4点についての変更は、都道府県知事の予めの許可が必要になります。許可なしで行うと「無許可営業」になるからです。その他の変更の場合は、届出で足ります

 

今回は、あえて許可の変更に対して重要な項目になるため、「事業の範囲」の変更を解説させていただきます。

 

事業の範囲の変更ではありませんが、特別管理産業廃棄物処理業(収集運搬・中間処理・最終処理)の許可を受けた者が、普通の産業廃棄物処理業(収集運搬・中間処理・最終処理)を行う場合や、その逆の場合は、予め該当する許可を都道府県から受ける必要があります。これは、それぞれの許可が、全く別のものとして規定されているからです。

 

事業の範囲の変更は都道府県知事の許可が必要

 

上記の4点の変更については、予め都道府県知事の許可が必要になり、許可が無いと無許可営業に該当し厳しい罰則が科されます。特に環境法務の分野は、「罰金」や「罰則」が厳しく、排出事業者に対しても責任の範囲が行くため注意が必要です(5年以下の懲役、もしくは1,000万円以下の罰金)。

 

なお、根拠となる条文は、以下のものになります。

 

産業廃棄物収集運搬業者または産業廃棄物処分業者は、その産業廃棄物の収集もしくは運搬または処分の事業の範囲を変更しようとするときは、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、その変更が事業の一部の廃止であるときは、この限りではない(廃棄物処理法第14条の2第1項)。

 

さて、上記の、「事業の範囲」の変更ではない、普通の変更の場合はどうなのでしょうか?この場合は、普通に期日までの届出で足りますし、届出を忘れたからといって直ちに「無許可営業」とはなりません。

 

事業の範囲の変更以外は届出で足りる

 

上記の、「事業の範囲」の変更ではない、普通の変更の場合とは以下のものをいいます。ただし、届出で足りるからといって、手続きを疎かにしてよいというわけではありません。定められた期日までに、必ず手続きをお願いします。

 

番号 項目 届出期日
1
①法人の名称変更
②個人事業者の氏名変更
①30日以内
②10日以内
2
①法人の本店所在地の変更
②個人事業者の住所の変更
①30日以内
②10日以内
3
①法人の代表者の変更
②法人の役員の変更
③政令使用人の変更
④株主等の変更
①30日以内
②30日以内
③10日以内
④10日以内
4
①運搬車輌の変更
②運搬船舶の変更
①10日以内
②10日以内
5
運搬車輌用の駐車場所在地の変更
10日以内
6
取り扱う産業廃棄物の種類の減少
10日以内
7
政令市における積替え保管許可の有無の変更
10日以内
8
産業廃棄物処理業の廃止
10日以内
9
欠格事由に該当している届出
2週間以内
10
積替え保管施設または中間処理施設に関する変更
窓口で要事前相談

 

なお、次のものについては、届出は不要です。

 

法人の代表者、役員、政令使用人、株主または出資者の住所の変更(個人事業者の住所変更は除く)
収集運搬に使用する収集容器の変更

 

まとめとして

 

産業廃棄物処理業(収集運搬・中間処理・最終処分)の許可には、単なる届け出で済むものから、都道府県知事の許可が必要なものの2通りあります。

 

届け出で済むものは、事後の届出になりますが、許可が必要なものは事前です。

 

もしも、許可が必要なものに対する事前の申請を怠り、そのまま業務を行うと無許可営業になります。

 

こならないためにも、専門の行政書士による許認可管理のご相談や顧問契約をお勧めします。