許可を取得すれば、他県でも産業廃棄物収集運搬業を行うことはできますか?

 

前回の記事「産業廃棄物処理業の許可は、基本的に都道府県知事の許可を受けなければいけない!」において、産業廃棄物収集運搬業を行う場合には、その区域を管轄する都道府県知事の許可を取得する必要がある旨を解説しました。

 

例えば、主たる事務所が東京都にある産業廃棄物収集運搬業者が、その区域を管轄する東京都の許可をもって、他県において産業廃棄物の収集運搬業を行うことは可能でしょうか?

 

建設業許可の場合は、主たる事務所を管轄する都道府県において許可を取得していれば、他県で500万円(税込)以上の建設工事を行うことは問題ありません。

 

産業収集運搬業許可も建設業許可と同様に、他県での収集運搬を行うことは問題ないように思われがちですが、それは間違いです

 

本日は、このことについて解説をしたいと思います。

 

有効な地域を限定とした許可前提のため、他県ではその県の許可が必要

 

前回の記事において条文を掲載しましたが、産業廃棄物収集運搬業の許可は「当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあっては、産業廃棄物の積卸しを行う区域に限る)を管轄する都道府県知事の許可(廃棄物処理法第14条第第1項一部抜粋)」となっています。

 

このことは、産業廃棄物の収集運搬を行おうとする地域を限定したものですので、この前提条件に基づいて考えると、収集運搬業を行えるのは許可が有効な地域内(許可を取得した都道府県内となります。

 

そのため、他県で収集運搬を行う場合は、その収集運搬を行う場所を管轄する都道府県知事の許可が必要になります。

 

対して建設業許可の場合は、建設工事の場所でなく、契約締結等を行う営業所の所在地を前提条件に許可を出しますので、営業所が他県であっても、その他の地域でも工事自体を行うことはできます。

 

  • 政令で定める市では、市長の許可が必要な場合がある

 

上記の原則の他に、政令で定める市においては、次の処理業者は、市長の許可を受けなければなりません。

 

積替え保管を行う産業廃棄物収集運搬業
産業廃棄物処分業(中間処理、最終処分)

 

たとえば、政令で定める市で積替え保管を行う産業廃棄物収集運搬業を行う場合は、その市長の許可が必要になります。一方、政令で定める市以外の県内区域内で行う場合は、管轄する都道府県の許可が必要になります。

 

まとめとして

 

本日は、産業廃棄物収集運搬業を行う場合、その許可自体が収集運搬という業を行う区域を前提した許可のため、その業を行おうとする都道府県の許可が必要な旨を解説しました。

 

このことは、営業所の所在地を前提とした建設業許可とは、大きく異なります。

 

産業廃棄物収集運搬業許可の申請ニーズの多い事業者は、建設会社の下請企業です。よくこのことについて誤解から、無許可の収集運搬を指摘されるケースが多々あります。

 

事前に、許可の前提条件についても、行政書士などの専門家にご確認ください。