排出事業者は、どのように産業廃棄物になるかどうかの判断をすればいいの?

 

前回の記事「一般廃棄物と産業廃棄物の法律的な定義とは?」において、産業廃棄物と一般廃棄物の違いについて根拠法令をもって解説しました。

 

この中で、産業廃棄物とは「事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスティック類その他政令で定める廃棄物(廃棄物処理法第2条第4項第1号)。」と言及させていただいたと思います。

 

おそらく、多くの排出事業者の方は、この条文に基づいて、「排出する廃棄物が産業廃棄物に該当するか一般廃棄物に該当するか」を判断すると思います。

 

しかし、なかなかこの条文やリンクだけでは、解りづらいと思いますので、具体的にどのように判断すればいいのかについて、解説をしたいと思いまうす。

 

産業廃棄物になるかどうかの判断方法

 

上記の条文「事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスティック類その他政令で定める廃棄物(廃棄物処理法第2条第4項第1号)。」を、先ず二分割してください。

 

燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスティック類
ここに該当する部分が、リンク中の「あらゆる事業活動に伴い排出されるもの12種類」になります。この廃棄物については、業種に関係なく事業活動に伴って排出されれば、産業廃棄物になり排出事業者責任が発生します。
その他政令で定める廃棄物
ここに該当する部分が、リンク中の「特定事業活動に伴い排出されるもの7種類」になります。この廃棄物は、特定の業種が事業活動に伴って排出された場合に産業廃棄物として扱われます。

 

このように産業廃棄物には、「業種に関係なく事業活動に伴って排出されたもの12種類」と「特定の業種が事業活動に伴って排出されたもの7種類」が存在します。

 

業種に関係なく事業活動に伴って排出されたもの12種類については、あらゆる事業活動が該当するので、該当品目を廃棄物として排出すれば産業廃棄物になります。そのため判断もそんなに難しくないと思われます。

 

それでは、特定の業種が事業活動に伴って排出されたもの7種類については、どうでしょうか?例えば、建設工事の新築、改装工事に伴い発生する木くずや、紙くずは産業廃棄物です。しかし、運送業で梱包によって出た木くずや、紙くずは運送業が特定の事業に当たらないため一般廃棄物(事業系一般廃棄物)となります。

 

これと同じ理屈で、サービス業で排出された紙くずは、特定の業種に該当しないため、一般廃棄物(事業系一般廃棄物)となります。

 

さて、最後に「事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスティック類その他政令で定める廃棄物(廃棄物処理法第2条第4項第1号)。」の条文すべてに係るもので、産業廃棄物に該当するものが1種類存在します。

 

廃棄物処理法第2条第4項第1号のすべてに関係するもの
ここに該当する部分が、リンク中の「その他の産業廃棄物1種類」になります。「あらゆる事業活動に伴い排出されるもの12種類」と「特定事業活動に伴い排出されるもの7種類」の産業廃棄物を処分するために処理したもので、前記の19種類の産業廃棄物に該当しないもの(例えば有期汚泥のコンクリート固形化物などが該当します。)

 

上記の「有期汚泥のコンクリート固形化物など」も産業廃棄物になりますので、当然事業活動で発生した19種類のいづれかに該当する産業廃棄物を処理する排出事業者は、処理に伴うこの「有期汚泥のコンクリート固形化物など」についても排出事業者責任を負います。

 

まとめとして

 

よくある質問で、「普通にゴミとして出して大丈夫なのか?」というものがあります。行政書士でも産業廃棄物関係の許認可を行う方は、一度は受け付けたことがあると思います。

 

本日は、この質問に対して往々に分かるようなやり方を紹介しました。

 

さて、本日ご紹介したものは、「(普通)産業廃棄物」の判断方法になります。このほかに産業廃棄物には「特別管理産業廃棄物」というものがあります。

 

 

廃棄物処理法では、「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれのある性状を有する廃棄物」を特別管理一般廃棄物および特別管理産業廃棄物として規定しています。

 

これについては、後に解説しますが、一般的な産業廃棄物の判断手順は、以下のように行えば混乱が少ないと思います。

 

事業活動に伴って排出されたもの12種類に該当するか否か?
特定の業種が事業活動に伴って排出されたもの7種に該当するか否か?
有期汚泥のコンクリート固形化物などが処理とともに排出されるか否か?
特別管理産業廃棄物に該当するか否か?

 

特別管理産業廃棄物は、飛散型アスベストなどが一般的ですが、水銀や灯油類など危険なイメージのあるものなので多くの場合、「このまま捨てたら危ないぞ!」と分かるものばかりです。

 

産業廃棄物に該当するものは、年々変わってゆくものなので、逐次確認が必要です。