物が廃棄物か有価物かは、どのようにして判断するのか?

 

ここにある物があるとします。その物が自分にとっても他人にとっても必要のないものと判断すれば、その物を捨てると思います。

 

この「必要のない捨てる物」を一般的に廃棄物といい、もしも、自分も含めて「誰かにとって必要な物」を有価物といいます。

 

もうすこし、詳しくすれば、分類は以下のようになります。

 

廃棄物
自分で使用したり、他人に売ったり、譲渡したりすることができない不要となった物をいいます。
※ 廃掃法上では、「排出事業者が自分で利用したり他人に売ったりできないため不要となった固形状・液体状のもの」と定義していますが、これは廃棄物処理のための廃棄物の定義であり、広義の廃棄物の判断の定義ではありません
有価物
自分で使用したり、他人に売ったり、譲渡したりすることができるように、一定の価値が認められる物をいいます。
※ この場合の価値とは、「ほしい・使う・保管するなど」廃棄物以外は、価値のあるものとします。

 

上記のように判断して一般的には差し障りが無いと思います。よく、遺品整理の仕事で困ることですが、一般的にはゴミとしか思えず、家族もゴミとしかみなしていないものでも、その家の老人一人が、「思い出の品」と判断している場合があります。

 

この場合、老人にとって「思い出の品」という価値があるため、捨てないのであれば有価物になります。

 

この他にも、自宅の倉庫を整理していた時に、30年前に販売終了したアイスの袋が出てきた場合などはどうでしょうか?保存するならば有価物で、捨てるならば廃棄物です。

 

このように、廃棄物か有価物かの判断は主観的要素も大きく、一概に他人から見て判断しずらいものでもあります。

 

さて、上記のような廃棄物か有価物か否かの判断を法律的にはどのように判断するのでしょうか?そのような法律はあるのか否か?本日は、そのことについて解説をしたいと思います。

 

法律的な廃棄物か有価物か否かの判断

 

基本的に、「廃棄物か有価物か否かの判断」は、廃棄物処理法等の具体的な法律では明文化されてはいません

 

ただし、法律的に争われた場合は、過去の最高裁判決や国の通知等により」、次の5つの要因を総合的に判断することが定説となっています。これを一般的には「総合判断説」といいます。

 

物の性状
排出の状況
通常の取扱形態
取引価値の有無
占有者の意思

 

この「総合判断説」を採用する根拠となる通知は、以下のものになります。

 

廃棄物とは、占有者が自ら利用し、または他人に有償で譲渡することができないために不要となったものをいい、これに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱形態、取引価値の有無、占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべきものであること(行政処分の指針について(通知)(平成30年3月30日環廃規発第1803306号)

 

ここで、重要なものは「占有者が自ら利用し、または他人に有償で譲渡することができないために不要となったもの」という定義です。「他人へ無償で譲渡できるか否かの判断」が省かれていますが、これについての判断は占有者の意思や個々の国民へ判断を委ねるということでしょう。

 

なお、この定義は法律での定義ではなく、あくまでも役所内部での判断基準についての通知でしかありません。そのため、一般の国民に対しては直接的な拘束力はありません。

 

まとめとして

 

これから高齢化社会が進む中で、廃棄物か否かの判断に迷う場面に遭遇することが多くなると思います。先に触れた遺品整理の場合もそうですが、若い人は人生がまだ長いですから、「思い出」をこれからも創造することができます。

 

そのため、不用品に対してはいとも簡単に判断できると思いますが、高齢者は「思い出」に浸ることが人生の大半を占めることになると生意気ながら推察します。

 

こうなると、廃棄物か否かの判断が渋りがちになるのは、ある意味致し方ないと思います。今後の流れ次第では、国も廃棄物の定義を明文化せざるを得ない場合もあるかもしれません。

 

現時点では、トラブルにならないためにも話し合うしか方法が無いのかもしれません。