適正な産業廃棄物処理を行うために必要な、マニフェストと委託契約書!

 

前回、「産業廃棄物の不法投棄が発生する主な要因とは?」において、不法投棄が行われる2つの要因として、「埋め立てまたは海洋投棄」と、「リサイクル」という産業廃棄物処理の最終形態にあることを説明しました。

 

どちらも、最終処分場の確保やリサイクルのための分別工程等により、産業廃棄物処理は「高コスト」で「事業利益を圧迫」するためです。

 

そのため、他人や環境に対して配慮する心や遵法精神をなくせば、自ずと不法投棄をしたくなるのが人情かもしれません。今後、景気が後退局面を迎えると、このような一線を超える事業者が増えることを予測します。

 

人間とは面白いもので、遵法精神あふれ、他者への思いやりにあふれることを誇りとしていた人が、何らかの拍子で道を踏み外すと普通の人間よりもなし崩しに崩壊する速度が速い傾向があります。

 

むしろ、ある程度いい加減だけど、だましだまし守るべきことだけは守るという力の抜けた生き方の人の方が、長い目で見ると意外としぶとかったりします。

 

さて、産業廃棄物処理において最終責任は排出事業者にあります。そのため、不法投棄が発生した場合、処分事業者側に責任を全うする能力が無い場合、当然、排出事業者が罰金や原状回復義務が発生します。場合によっては、企業名を公表されます。

 

こうなると、上記のようにだましだましやる事業者よりは、きちんとやっているように見える事業者の方を選択しがちです。しかし、不思議なことに産業廃棄物処理(特に収集運搬事業者)は、法人よりも個人事業主の方が財務状態が良い傾向があります。

 

もちろん、個人事業主は無理ができないという意味で、日頃からリスクの伴う取引を自他ともにしたがらないことが原因かもしれません。しかし、もっと重要なことは、「人間とは、いい加減な生き物という自覚」と感じます。

 

私も、仕事を特に継続して行う場合、60%ぐらいの力でどの程度できるかを課業をこなす目安にしています。これ以上行うと、必ず無理やミスが発生する原因になります。この考え方のもとになるのは、「自分はそもそも出来が良くない!」という自覚からです。仕事とは、瞬発力だけではないのです。

 

本日は、不法投棄などをなくし、適正な産業廃棄物処理を行うためにマニフェストと委託契約書についてご紹介しますが、くれぐれも排出事業者責任があることを自覚し、排出事業者と処理事業者がお互いに協力関係にあるべきであることを忘れないでいただきたいと思います。

 

マニフェストと委託契約書

 

産業廃棄物処理において処分事業者の不法投棄などをなくして、適正に処分するために必要なツールとしてマニフェストと委託契約書が存在します。

 

マニフェストとは、すべての産業廃棄物処理に必要な書類で、7枚つづりの複写式の伝票で、産業廃棄物管理票ともいいます。この伝票を使用して排出事業者、収集運搬事業者、処分事業者が各工程においてチェックしていくことになります。
委託契約書
委託契約書は、書面により「誰が誰に、何を、どれだけ委託するか」、「廃棄物は最終的にどのように処理されていくのか」を書面に記載します。委託契約書を見れば、廃棄物の流れや各工程の委託事業者が分かるようにしなければなりません。

 

マニフェストと委託契約書を使用するタイミングは、先ず、委託事業者の選定と契約の段階で委託契約書の内容を決定し契約を締結します。次に、委託事業者を使用し、実際の廃棄物処理の段階で交付するのがマニフェストになります。

 

実際に、産業廃棄物の処理を行うまでに、委託契約書において各委託事業者のチェックとマニフェストにおいて各工程のチェックの2段階の確認作業が必要になります。

 

なお、委託事業者との契約の際に、運用時にマニフェストを交付することは廃掃法によって義務付けられています。

 

まとめとして

 

よく、「人間とはいいかげんな生き物さ!」と自分自身への甘えや言い訳のためにこの言葉を使用する人がいますが、私はこの使用方法をする人とは正直仕事をしたくありません。

 

「人間とはいいかげんな生き物さ!」はいいのですが、ここまで自覚できているならば、ミスなく、無理なく、無駄なく仕事を行うためにはどのようにすべきかを考えるべきと感じます。

 

まず、己のキャパシティーを正しく把握し、各工程の確認作業を充分に行うことが建設的な考え方と感じます。チェックリストを作り、指さし確認をすることを恥ずかしがる人もいますが、これを自分からできるようになってこそ、建設的な意味で「いい加減さを克服した!」ことになると私は考えます。

 

産業廃棄物処理も同じで、契約から各工程の確認作業を自然な流れで行われてこそ、不法投棄がなくなると感じます。