産業廃棄物処理の最終責任は、ゴミを出した事業者にある!

 

以前、「産業廃棄物とは何か?事業活動により発生する廃棄物、それは産業廃棄物!」の記事中にて、以下のように言及したと思います。

 

廃棄物処理法第3条では、「事業者は、その事業活動に伴って発生した廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」とされています。

 

産業廃棄物とは事業活動により排出される廃棄物とされています。事業活動により排出された廃棄物の処理には、自ら処理する方法と、産廃事業者へ処理を委託する方法の2つがあると思います。

 

多くの場合、後者の産廃事業者に対して処理を依頼することが一般的と思います。そのことから、一般常識から考えると専門の業者へ委託するのであるから、産業廃棄物処理の全責任は、産廃事業者にあると誤解されがちです。

 

例えば、委託された産廃事業者が不法投棄を行っていたことが発覚した場合、この産業廃棄物処理の責任はだれが負うのでしょうか?法律的には、このような場合でも責任は排出事業者に掛かってくるのです。

 

では、このように責任を負う排出事業者には、どのようなペナルティーが考えられるのでしょうか?具体的には、過去に企業名の公表、罰金、廃棄物の撤去命令を受けることになったケースがあります。

 

本日は、このような産業廃棄物処理の最終的な責任について、解説をしたいと思います。

 

産業廃棄物処理に対する責任とは

 

日本で産業廃棄物に関する問題が表面化したのは、1970年代のことです。戦後復興のもとに日本は高度成長期を迎え、あらゆる産業は飛躍的成長を遂げましたが、その一方で排ガス、排水、廃棄物による公害が社会問題化された時代でもありました。

 

公害とは、企業活動が、地域住民の健康や生活環境に被害を与えること。有毒ガスによる大気汚染や、排水による水質汚濁、騒音、振動などが挙げられる。近年は、公害よりも広義の概念として、環境汚染、環境破壊などの言葉が用いられている。

 

意外に思われるかもしれませんが、この時期まで廃棄物処理について何の規制もございませんでした。しかし、さすがに公害が問題視される中で環境汚染を防止する観点から、当時の日本政府は産業廃棄物に対しては「排出事業者が責任をもって処理する(産廃物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法))」ことを決定しました。

 

産業廃棄物の処理方法については、廃棄物処理法において定められており、産業廃棄物を排出した事業者は、自らの責任で法律に則って廃棄物処理を行わなければなりません。

ただし、実際のところは、産廃事業者へその処理を委託することがほとんどであると思われます。

 

ここで、注意が必要しなければならないことは、「廃棄物処理は産廃業者まかせでは済まない!」ということです。

 

以前実際にあったケースですが、青森県と岩手県の県境の不法投棄事件では、延べ1万社の排出事業者から委託を受けた産廃事業者が、約80㎥の廃棄物が不法投棄されました。

 

不法投棄の発生するケースとして、排出事業者が自ら行うケースもありますが、産廃業者がそのキャパシティーを超えた分を不法に投棄するケースもあります。後者のような場合でも、委託した排出事業者に罰金や撤去命令が下ります。

 

このように、産業廃棄物処理の最終的責任は排出事業者にあることを念頭に入れ、委託事業者に対する監視も重要になります。後に言及するつもりではありますが、マニフェスト(産業廃棄物管理票)の使用もこのような観点から、行われています。

 

まとめとして

 

最近の傾向として、建設業者の方やその他清掃業者などを営む方、運送業者(特に引っ越し屋さん)などから産業廃棄物収集運搬業許可の書類作成に関する相談が、行政書士に増えています。

 

特に建設業者の方の場合、この許可が下請で現場に入る際のパスポート的な役割になりつつあるそうです。

 

私も、以前建設業者で総務の主任的立場で仕事をしていた際に、専務取締役から産業廃棄物収集運搬業に関する知識を身に付けるように指導を受けたことがありました。

 

下請として仕事をする場合、配置技術者の問題以外に産業廃棄物収集運搬業許可とマニフェストの運用体制の構築が重要になると私は考えます。

 

本日より産業廃棄物処理に関する全体的な解説をはじめて、多くの方にこの仕組みを共有できたらと思います。