共同企業体(JV:ジョイントベンチャー)の技術者の配置は、どのようにすべきか?

 

建設業法第26条に規定する現場に配置する技術者については、 共同企業体(JV:ジョイントベンチャー)の各構成員についても適用されます。具体的な条文は、以下のようになります。

 

(条文要約)

建設業法第26条1項 建設業者は、元請下請、金額の大小に関わりなくすべての工事現場に必ず主任技術者を配置しなければならない。

建設業法第26条2項 特定建設業に関する工事の場合は、主任技術者に代えて監理技術者を配置しなければならない。

 

上記の建設業法の規定の外にも専門技術者の配置等もありますが、基本的にこれらも共同企業体(JV:ジョイントベンチャー)の各構成員に適用されます。

 

このように通常、建設工事を行う場合はいかなる場合も建設業法の規定により技術者の配置が義務付けられ、違反する場合には罰則規定が存在します。

 

ちなみに、技術者の配置義務に違反した場合は、「100万円以下の罰金」ですが、建設業法で罰金刑以上に処せられた場合は、許可の取り消しの対象になり、また、許可取り消し後は新たな許可については5年間取得ができなくなります。

 

このようなことにも注意しながら、共同企業体(JV:ジョイントベンチャー)における現場への配置すべき技術者の取扱について、甲型と乙型とでご確認いただきたいと思います。

 

甲型(共同施行方式)の技術者の配置

 

下請契約の金額が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上となる場合は、特定建設業者たる構成員1社以上が監理技術者を設置しなければなりません(建設業法第26条第2項)。

 

この場合、共同企業体(JV:ジョイントベンチャー)の特定建設業者である代表者が監理技術者を設置すれば、他の構成員は主任技術者を設置することで、基本的には差し支えありません。

 

次に以下の場合は、共同企業体(JV:ジョイントベンチャー)であっても、監理技術者や主任技術者などは現場に対して専任で配置される必要があります。

 

請負金額が3,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上となる場合は、設置された監理技術者等は専任でなければなりません。

 

なお、ここでいう専任で配置される技術者とは、あくまでも現場へ配置される技術者をさし、営業所に常勤する専任技術者とは異なりますので、混同をご注意ください。

 

国土交通省のガイドラインである「監理技術者制度運用マニュアル」では、公共工事を施工する場合は、原則、特定建設業者たる代表者が、請負金額に関わらず監理技術者を専任で配置すべきとなっています。

 

乙型(分担施行方式)の技術者の配置

 

監理技術者制度運用マニュアルによれば、一つの工事を複数の工区に分割し、各構成員がそれぞれ分担する工区で責任をもって施工する乙型(分担施行方式)の共同企業体(JV:ジョイントベンチャー)の場合は、分担工事に係る下請契約の額が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上となる場合には、当該分担工事を施工する特定建設業者は、監理技術者を設置しなければなりません。

 

また、分担工事に係る請負金額が3,500万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上となる場合、設置された監理技術者は専任でなくてはなりません。

 

なお、共同企業体(JV:ジョイントベンチャー)が公共工事を分担施工方式で施工する場合には、分担工事に係る下請契約の金額が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上となる場合は、当該分担工事を施工する特定建設業者は、請負金額に関わらず監理技術者を専任で配置しなければなりません。

 

甲型(共同施行方式)の技術者の配置と乙型(分担施行方式)の技術者の配置における共通事項

 

監理技術者制度運用マニュアルによれば、いずれの場合も、その他の構成員は、主任技術者を当該工事現場に設置しなければならないのですが、以下の場合は、国家資格を有する者を請負金額に関わらず専任で配置すべきとされています。

 

特定建設共同企業体の場合
経常建設共同企業体の場合(原則)

 

なお、特定建設共同企業体と経常建設共同企業体の意味については、「共同企業体(JV:ジョイントベンチャー)の形態!特定型と経常型の相違とは?」においてご確認ください。

 

また、現場の編成表の作成等現場職員の配置の決定に当たっては、次のことに配慮する必要があります。

 

工事の規模、内容、出資比率等を勘案し、各構成員の適正な配置人数を確保すること。
構成員間における対等な立場での協議を確保するため、配置される職員は、ポストに応じ経験、年齢、資格等を勘案して決定すること。
特定の構成員に権限が集中することが無いように配慮すること。
各構成員の有する技術力が最大限に発揮されるように配慮すること。

 

まとめとして

 

本日は、共同企業体(JV:ジョイントベンチャー)における配置義務のある技術者の設置について解説しました。

 

基本的に建設業法第26条で規定される主任技術者や監理技術者、その他専門技術者の配置義務は、共同企業体(JV:ジョイントベンチャー)になっても変わりません。

 

どのような工事であっても、技術者の配置を免れることは基本的にできません。技術者の配置義務に違反した場合、100万円以下の罰金を科されますが、それよりも恐ろしいことは、建設業許可の欠格事由に該当し許可自体が取り消されることです。

 

くれぐれも、そのことをご留意の上、現場技術者の配置については慎重に行っていただきたいと思います。