共同企業体(JV:ジョイントベンチャー)の形態!特定型と経常型の相違とは?

 

前回の記事「共同企業体(JV:ジョイントベンチャー)の形態!特定型と経常型の相違とは?」について、活動目的の違いにより区分される特定建設工事共同企業体経常建設工共同企業体について解説しました。

 

本日は、残りの施工方式の違いにより区分される甲型共同企業体(共同施工方式)と乙型共同体(分担施行方式)について、解説をしたいと思います。

 

再度掲載しますが、共同企業体の形態は、その活動の目的の違いにより区分されるものと、施工方式の違いにより区分されるものがあります。

 

それぞれの区分の違いは、以下のようになります。

 

(1)活動目的の違いによる区分
特定建設工事共同企業体と経常建設工共同企業体
(2)施工方式の違いによる区分
甲型共同企業体(共同施工方式)と乙型共同体(分担施行方式)

 

そして、活動目的と共同企業体としての施工方式は一致せず、両者の適正な組み合わせは、工事の性質等により判断されるべきです。

 

甲型共同企業体(共同施工方式)

 

甲型共同企業体とは、共同施工方式のことであり、全構成員がそれぞれ予め定めた出資割合(例えば、A社40%、B社30%、C社30%)に応じて資金、人員、機械等を拠出して、一体となって工事を施工する方式をいいます。

 

具体的には、ちなみに、下記の表のように配分・負担・処理等されます。

 

契約上の名称
〇〇共同企業体
代表者
運営委員会
構成員の施工
出資比率に応じて一体となって施工する
共通経費の負担
出資比率に応じて負担する
費用計算
一体となって行う
利益(欠損)金の配分
出資比率に応じて分配する
施行責任
構成員は工事全体について責任を負う
瑕疵担保責任
構成員が連帯して負う

 

上記の出資とは、財産的価値のあるものすべてを対象としており、その出資時期は共同企業体の資本計画に基づき工事の状況に応じて決定されます。

 

乙型共同体(分担施行方式)

 

乙型共同企業体とは、分担施工方式のことであり、各構成員間で共同企業体の請負った工事を予め分割し、各構成員は、それぞれの分担した工事について責任をもって施工する方式をいいます。

 

例えば、水力発電施設建設工事において、A社はダム、B社は導水路、C社は発電所を分担して施工するというものです。

 

具体的には、ちなみに、下記の表のように配分・負担・処理等されます。

 

契約上の名称
〇〇共同企業体
代表者
運営委員会
構成員の施工
自己の分担工事を施工する
共通経費の負担
分担工事額の割合に応じて負担する
費用計算
各自の分担工事ごとに行う
利益(欠損)金の配分
自己の分担工事ごとに費用計算をするため、分担の問題は生じない
施行責任
構成員は、まず自己の分担工事について責任を負うが、最終的には工事全体について連帯責任を負う
瑕疵担保責任
構成員が連帯して負う

 

乙型共同企業体において注意すべき点は、表面的には分離・分割発注と酷似していますが、最終的には他の構成員の施工した工事において、発注者に対して連帯責任を負うことになります

 

また、各構成員は共通経費については共同事業体事務局へ支払いますが、損益計算については各構成員が自己の分担工事ごとに行い、甲型共同企業体のように構成員が一体となって合同計算はしません。

 

よって、乙型共同企業体では、構成員の中に利益をあげた者と損失が生じた者が混在する可能性が発生します。

 

まとめとして

 

甲型共同企業体、乙型共同企業体という名称は、共同企業体である法人格なき団体(民法上の組合)の根拠である標準的な共同企業体協定書(甲・乙)の区分に従ってつけられたものです。

 

本日は、施工方式による区分として、施工を出資比率に応じて負担する甲型共同企業体と、自己の分担工事ごとに施行する乙型共同企業体について解説しました。

 

前回からの解説も含めて、共同企業体には「活動目的」による区分と、「施工方式」による区分があることをご留意いただけると幸いです。

 

ご不明な点等は、是非、専門の行政書士をご活用ください。