- 投稿 2018/12/01 更新
- 貨物自動車運送事業許可
一般貨物自動車運送事業許可の5つの要件の1つ!資金の要件とは?
前回、「一般貨物自動車運送事業許可の5つの要件とは?」にて、許可取得に必要な要件をざっくりと解説しました。
本日からこの要件について、個別にもう少し詳しく解説をしていきたいと思います。
さて、本日はこの5つの要件の1つにある「資金の要件」について、解説をします。 前回も解説しましたが、「資金の要件」には、法律により金額が決まってはいません。
だからといって、資金がなくてもいいというわけではありません。貨物自動車運送事業の目的に照らして、適正な事業計画でなければ要件を満たしたとはいえません。
そのため事業計画が適正か否かについては、一定の根拠となる書面の提示にて証明する必要があります。
事業計画が適正と判断されるには、概ね1,000万から2,000万円程度の資金が必要なようです。
資金の要件
資金の要件とは、一般貨物自動車運送事業を貨物自動車運送事業法の目的に沿って営む資金能力を有しているか否かを判断する条件をいいます。
ちなみに、貨物自動車運送事業法の目的とは以下のようなことをいい、貨物自動車運送事業の「運送の安全の確保」と「健全な発達」という2つの目的が業法上の柱になります。
そのため、運送の安全が確保できていない無理や、法律違反が予想される事業計画は当然ながら認められません。
この法律は、貨物自動車運送事業の運営を適正かつ合理的なものとするとともに、貨物自動車運送に関するこの法律および法律に基づく措置の遵守等を図るための民間団体等による自主的な活動を促進することにより、運送の安全を確保するとともに、貨物自動車運送事業の健全な発達を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とします(貨物自動車運送事業法第1条)
さて、申請の際に提出する事業計画ですが「事業の開始に要する資金及び調達方法」という申請書の様式に沿って事業資金を算出します。
ちなみに、事業資金が確保できていることを、金融機関の「残高証明書」によって証明します。また、地域によっては、銀行などの金融機関の「融資証明書」に代えることも可能な場合があります。
なお、必要な資金の種類は、以下のようになります。
① |
人件費(役員報酬、給与、手当、賞与、法定福利費(社会保険料)、厚生福利費)
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② |
燃料費
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③ |
油脂費(燃料費の3%)
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④ |
修繕費(外注修繕費、自家修繕費・部品費、タイヤ・チューブ費)
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⑤ |
車両費(購入費、リース費)
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⑥ |
施設購入・使用費
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⑦ |
什器・備品費(各種部品)
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⑧ |
施設賦課税(しせつふかぜい)(自動車税、自動車重量税、自動車取得税)
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⑨ |
保険料(自賠責・任意保険料)
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⑩ |
登録免許税(一般貨物自動車運送業許可12万円)
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⑪ |
その他の費用(道路使用料、光熱費、通信費、公告宣伝費、図書、会議費、印刷費、運搬費)
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まとめとして
事業計画自体は、変動が予想されるので計算方法などもあります。ただし、ある程度の整合性がない場合、要件を満たしていないとなる場合がありますので、作成にあたっては慎重になる必要はあります。
建設業の許可のように、500万円以上の資金調達能力など法律により金額が決まっていれば簡単かもしれませんが、一般貨物自動車運送の場合はそうはいきません。
そのため、先にも述べたように、資金として1,000万円から2,000万円位が確保しておくことが大切に思います。
運送業の許可は、行政書士でも専門外または時間がかかることから断るケースが多く、専門家を探すのにも難儀する場合があると思われます。許可申請の際は、是非ともご一報ください。