公正取引委員会の処分がある建設業法違反とは、どのようなものか?

 

以前、「建設工事請負契約には、下請法の規定は適用されず、建設業法の規定が適用されます。」において、公正取引委員会が管轄する下請法の規定は、建設業においては適用されず建設業法の規定により下請問題への解決を図ると解説しました。

 

このように建設業法違反にある内容でも、公正取引委員会の処分の対象になるものがあります。

 

再度、下請問題に関する独占禁止法違反の規定に従った措置についてまとめたいと思います。

 

特に下請問題において公正取引委員会の処分を受けた場合、「独占禁止法違反」の箇所に該当し、建設業許可の取消の対象等になりますので注意が必要な個所になります。

 

公正取引委員会の処分がある建設業法違反

 

建設業法違反のうち、次に掲げる規定に違反している事実があり、独占禁止法第19条(不公正な取引方法の禁止)に違反していると認めるときは、直接建設業法に基づき監督処分が行われるのではなく、許可行政庁である国土交通大臣または都道府県知事から公正取引委員会に独占禁止法の規定に従った適当な措置を執るべきことを求めることができるとされています(建設業法第42条)。

・建設業法第19条の3(不当に低い請負代金の禁止)違反
・建設業法第19条の4(不当な使用資材等の購入強制の禁止)違反
・建設業法第24条の3第1項(注文者から支払があった場合の30日以内の支払義務)違反
・建設業法第24条の4(原則20日以内の検査、完成確認後直ちに引き取り)違反
・建設業法第24条の5第3項(一般金融機関での割引困難な手形の禁止)違反
・建設業法第24条の5第4項(引渡申し出日から50日以内の支払義務等)違反

 

これらの規定は、建設工事の下請契約に関して元請負人(一部は特定建設業だけに適用)に義務付けられたものですが、その違反行為は、公正取引委員会が昭和47年に定めた「建設業の下請取引に関する不公正な取引方法の認定基準」に示されているように、独占禁止法第19条(不公正な取引方法の禁止)に該当するものとして取り扱うものとするとされています

 

このため、行政の一元化を図る趣旨かで、許可行政庁から請求を受けた公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づき勧告、差止命令等の措置を執ることとされています。

 

まとめとして

 

建設業法において、公共の福祉の観点からできた下請負人保護に関する規定に違反することは、許可の取り消しのほかに、公正取引委員会の処分や罰則(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)を受ける可能性が大きいです。

 

下請取引に対して「下請いじめ」が世間的に云われていますが、ことに建設業界ではそれに対する行政庁の対応は厳しいものとなります。

 

古い業界なので、「下請いじめなのか?下請を鍛えているのか?」についての議論もありますが、元請けとして建設業法を遵守しているのであれば、「下請を鍛えている」という主張も通ると思います。

 

建設業法における下請規定は、それ相応の前例に基づいて成立しています。その辺は、なんら根拠なく規定されているものではないことをご理解ください。