講習期間終了後、技能実習の期間中の外国人技能実習生の取扱は、どのようになっているのか?

 

前回、「外国人技能実習生が日本にはじめて入国してから受ける講習期間中の処遇は、どのような取り扱いとなりますか?」において、外国人技能実習生が入国してから原則2ヶ月行われる座学の講習期間の間の日本での取扱について解説しました。

 

この講習期間は、技能実習実施者の企業とは雇用関係は発生しません。そのため当然賃金は発生しませんので、講習期間は無収入の状態となります。

 

その期間を穴埋めするために管理団体などは講習手当を与えたり、宿舎は無償提供になります。このようにして、座学の講習期間を終了した技能実習生は、いよいよ技能実習実施者の雇用関係を結ぶことになります。

 

本日は、実際の技能実習期間中の外国人技能実習生の取扱について、解説をしたいと思います。

 

技能実習期間中の外国人技能実習生の取扱

 

外国人技能実習生の実習期間を開始する場合、外国人技能実習制度に関する関係法令についての必要な説明を行うとともに、書面をもって、実習内容、移行に関する条件等および技能実習期間の労働条件を母国語併記で明示しなければなりません。

 

以下に、技能実習期間中の処遇について解説しますのでご確認ください。

 

技能実習は、講習で修得した技術、技能または知識を生産の現場で更に高めるため、講習を受けた企業と同一の企業において雇用関係の下で行われます。したがって、技能実習生は労働関係法令が適用されます。受入れ企業はこれらの法令の内容について技能実習生の理解を促進するため必要な措置を講ずる必要があります。
技能実習が始まると、受入れ企業と技能実習生との間で労働関係が発生します。そのため、労働契約を締結することになります。この契約内容については、契約書を正副2通作成し、双方で1部ずつ保管することが望まれます。
労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分について無効となり、法律による基準が適用されます。

契約内容は、就業規則に定める基準を下回ることはできません。労働契約の締結に際しては、技能実習生に対して賃金、労働時間その他労働条件を明示しなければなりません。特に次の事項は書面で明示しなければなりません。

ア.労働条件の期間に関する事項
イ.就労場所および従事する業務に関する事項
ウ.始業および終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休憩、交換勤務をさせる場合の就業時転換に関する事項
エ.賃金の決定、計算および支払の方法、賃金の締め切りおよび支払の時期に関する事項
オ.退職に関する事項(解雇事由を含む)

また、労働条件について、技能実習生の国籍、信条または社会的身分を理由として、差別的取り扱いをすることは禁止されています。

 

まとめとして

 

外国人技能実習生は、入国後原則2ヶ月間行われる座学の講習期間を終了した後に、技能実習実施者の企業と締結される労働契約は、日本人同様に労働関係法令の適用を受けます。

 

そのため受入先企業は、それに沿った雇用管理を行うことが必要なことはもちろん、締結された労働契約について契約書を作成することが望まれます。

 

なお、上記の所定の内容については、書面化して明示する必要がありますのでご注意ください。

 

日本の日本国憲法では、外国人とはいえ基本的人権は保障されています。外国人の在留資格による活動の制限はあるものの基本的人権については日本人同様に尊重されるべきと法律ではなています。

 

戦後の日本の国是の一つとして法治国家としての態度を重視することがあります。このことは、国際協調主義の中での日本のあり方についての考え方に起因します。

 

日本は、近代社会構造の中で地政学上鎖国が不可能な国でもあり、常に国際協調を意識する宿命を背負っています。地政学上、鎖国が容易なアメリカとは条件が違います。

 

可能な限り諸外国に誠意をもった対応をすることは、いずれ自国を守ることとなることを信じて国際業務を行いたいものです。