前金払を受けたとき、下請代金の支払について注意することは?

 

発注者(施主)から、工事の請負代金の前金払いを受けた場合、元請負人は下請負人への下請代金の支払について、建設業法などで法令上の制約はあるのでしょうか?

 

前回は、出来高払および竣工払の工事請負契約の下請代金の支払について解説しましたが、本日は前金払を受けた場合の下請代金の支払についての法律上の制約について解説したいと思います。

 

建設工事において、発注者(施主)から前金をいただけることは、請負業者の側としては非常に資金繰り等が助かるウェルカムな出来事であると感じます。

 

ただし、このことは同じ請負業者である下請負人も同じことです。特に経済的基礎が弱い下請負人としては、元請負人が発注者(施主)より前金を受けていたならば、その分の一部でも下請代金として支払いを受けたいと思うことは人情です。

 

このことについて、建設業法などでは法律的な制約を設けています。本日は、この制約について解説したいと思います。

 

工事の請負代金の前金払いを受けた場合、元請負人は下請負人への下請代金の支払について

 

建設業法では、発注者(施主)から、工事の請負代金の前金払いを受けた場合について、以下のように定めています。

 

発注者から前払金の支払を受けたときは、元請負人は、下請負人に対して資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うなどの適切な配慮をしなければなりません(建設業法第24条の3第2項)。

 

また、公共工事における前金払については、以下のように関係法令にて定められています。

 

公共工事の前払金は、国および地方公共団体等が公共工事の適正かつ円滑な実施の確保を目的として、保証会社の保証を条件に、着工時に請負代金の一部を請負業者に支払うものであり、元請負人は保証会社の使途の監査のもとにこの前払金を適切に使用しなければなりません(公共工事の前払金保証事業に関する法律第27条)。

 

まとめとして

 

発注者から前払金の支払を受けたときは、元請負人は、下請負人に対して必要な費用等を前金として支払う配慮をする必要があります

 

上記のことが公共工事の場合は、保証会社の保証を条件に、保証会社の使途の監査のもとにこの前金を使用しなければなりません。

 

前金払を元請負人が受けた場合は、できる限り下請負人の資金繰り等を考えて、前払分の一部を支払うことが、継続した元請・下請関係の構築には不可欠に感じました。