下請負人に対して有償で資材を支給した場合の資材の代金回収日は、いつでもいいのか?

 

注文者(元請負人含む)が、下請工事に必要な資材を下請負人に対して有償支給した場合、当該下請負人から資材代金を回収する期日は、基本的に下請代金支払期日以降でなければなりません

 

このことは、下請代金支払期日以降でないと下請負人の側の資金繰りや経営を圧迫するおそれがあることから、上記のようになっています。

 

元請負人の方には、資金繰りや経営については下請業者も一事業主なのだから事業者の責任としてその辺は、上手に対応しろ!といいたくなる方もいますが、理論と現実は大きな差がある場合が多いです。

 

できれば「支払いは後にして、入金は早くしたい」と考えるのが、多くの事業主の方の理想と思いますが、それはみんな同じことでせめぎあってます。当然、下請業者の方も同じと思います。

 

取引上有利な立場にあることの多い元請負人の場合、下請負人の方の生殺与奪の立場に立つことも可能です。

 

そのため、法律は公共の福祉、建設業界の振興の観点から下請負人保護の立場を取っています。よって、今回のような下請負人に対する有償支給材の代金回収も下請代金支払期日以降でないといけなくなります。

 

本日は、この内容をもう少し詳しく解説したいと思います。

 

下請負人から資材代金を回収する期日は、基本的に下請代金支払期日以降

 

注文者(元請負人含む)が工事用資材を有償支給した場合にその資材の対価をその資材を用いる建設工事の請負代金の支払期日前に支払わせることは、下請負人の資金繰りや経営に不当な圧迫を与えるおそれがあります。

 

そのため建設業法に基づくガイドラインでは以下のように、基準を設けています。

 

有償支給した資材の対価は、当該下請代金の支払期日以降でなければ、正当な理由を除き、下請負人に支払わせてはならないとされています(建設業の下請取引に関する不公正な取引方法の認定基準)。

 

※ 有償支給材の代金回収ですが、下請代金の支払と同時に行うことは可能です。また、請負代金から工事用資材の代金の相殺をする場合は、予め元請・下請間で合意が必要です。

 

  • 資材代金の回収は下請代金の支払期日以降

 

有償支給した資材を用いる建設工事の下請代金の支払期日前に、別の工事の代金額から控除する等、実質的に資材代金の回収を行う行為も禁止しています。

 

  • 資材代金の早期回収の正当な理由

 

下請負人が有償支給された資材を他の工事に使用したり、転売してしまった場合等は、資材代金を早期回収する正当な理由になります。

 

まとめとして

 

本日のまとめですが、有償支給した資材の代金回収は、正当な理由なしに、下請代金支払期日前に行ってはいけません

 

このことは、下請代金支払期日前に別の工事の代金から控除することも禁止です。原則、下請代金支払期日後に清算するかたちになります。

 

なお、下請代金支払い日に、同時に清算することは可能です。請負代金から工事用資材の代金の相殺をする場合は、予め元請・下請間で合意が必要です。

 

建設業は他の業種と異なり、多くの資金の移動や労働者を含む関係者への影響が大きい業種でもあります。

 

そのため、社会的影響も勘案して下請保護の考え方も他の業種よりも厳しいかもしれません。