標準請負契約約款の請負代金内訳書に追加された記載事項を知りたい!

 

前回の記事で請負契約書に記載する事項と注文書と請書の取扱について解説しました。

この中で、「標準請負契約約款」についての解説をしました。具体的な内容は以下の通りです。

 

国土交通省に設置されている中央建設業審議会が作成した標準請負契約約款は以下の3種類が存在します。適法な請負契約を行うためにも、是非ともご活用ください。

公共工事標準請負契約約款
民間工事標準請負契約約款(甲)・(乙)
建設業工事標準下請契約約款

なお、建設工事の請負契約には、国土交通省中央建設業審議会が作成した上記の3つの契約約款以外に、民間工事に用いるために作成された「民間(旧四会)連合協定工事請負約款」もあります。

 

上記の標準請負契約約款は、注文書と請書のみで工事の請負契約を締結する場合に、建設業法で定める14項目の必要的記載事項を網羅したこの約款を添付し使用します。

 

これを行うことで、建設業法上の必要的記載事項の記載義務を果たすことになります。もちろん、ご自身で約款を作られてもいいですが、法令遵守の観点から標準請負契約約款をそのまま利用した方が、問題は少なく済みます。

 

さて、本日は、近年見積書への記載事項が追加されたのと同様に、標準請負契約約款にも追加された記載事項について確認を行いたいと思います。

 

社会保険・労働保険の加入の徹底から、法定福利費の記載が義務付けられた

 

見積書にも社会保険・労働保険の加入の徹底から、法定福利費の記載が義務付けられたと思いますが、契約締結の際に約款を使用する場合もその義務が発生しました。

 

具体的には、社会保険と労働保険の加入の徹底のため、請負代金内訳書に健康保険、厚生年金および雇用保険に係る法定福利費の明示されるものとなりました。

 

ちなみに、社会保険・労働保険とは一般的に以下のものをいいます。

 

種類 保険の種類 管轄官庁・手続場所 約款に記載する内容
労働保険 労災保険・雇用保険
厚生労働省(旧労働省系)・労働基準監督署(労災)とハローワーク(雇用)
雇用保険
社会保険 厚生年金・健康保険
厚生労働省(旧厚生省系)・社会保険事務所
厚生年金・健康保険

 

法律上は、社会保険・労働保険は、人を雇った場合は入社日に加入しないといけないものです。しかし、実態は中小零細企業の中には、加入しなかったり、3ヶ月から1年は試雇期間として加入を据え置くケースが多々あります。

 

この状況を打開するための策として、建設業では見積書や契約関係書類に必要的記載事項として記載を義務付けることで加入の徹底を推し進めています。

 

まとめとして

 

社会保険・労働保険の新規加入手続や適用事業所の設置を行う専門家は、一般的には社会保険労務士さんが行います。

 

私の場合は、会計事務所内の社会保険労務士事務所で助成金(旧雇用創出人材確保助成金)の手続に関する仕事をしたことがあり、この辺の手続きはよく知っていました。

 

その際に気付いたことですが、従業員の方の中には、雇用保険の加入を除いて、年金や健康保険は市役所のものに自分で入ることを希望される方が多かったです。

 

理由は、保険料負担額が気になるケースが多かったです。本当は、社会保険の方も加入する必要があるのですが、当時の助成金手続は旧労働省系でしたので雇用保険のみで済むとも考えていました。

 

近年、働きやすい職場の創造を国の政策として推し進める中、上記のような対応が一般的に難しくなりつつあるよいうに感じます。

 

必要な場合は、社会保険労務士さんもご紹介いたしますので、是非ともご連絡ください!