労働災害防止対策に関して、見積書に記載すべき内容を教えてほしい!

 

建設業者側が発注者や元請業者側へ交付する見積書の作成について、前回の記事で解説いたしました。

 

その中で、見積書の中に「社会保険(健康保険・年金)や労働保険(雇用保険・労災保険)の加入の徹底のため、保険料がこれに含まれる法定福利費相当額を、見積書に明記すべきことや、下請契約となるものについては、下請業者は労働災害防止対策に要する経費を明示するべき」と記載しました。

 

労働安全衛生法では、建設現場において労働安全対策を適切に行うことが義務付けられています。 そのため、それに掛かる経費を見積書に含むことは、適切な見積書作成がなされる条件の一つでもあります。

 

今回は、この見積書に織り込むべき労働災害防止対策に関する経費について解説したいと思います。

 

見積書に織り込むべき労働災害防止対策に関する経費について

 

元請負人および下請負人に対して、それぞれの立場に応じて、建設工事現場において労働安全対策を講ずることが義務付けられています(労働安全衛生法第23条)。

 

これを受けて、経費の見積が適切に行われるために、「建設業法令遵守ガイドライン」では、以下のことを行わなければならないとなっています。

 

(1)
元請負人は、見積条件の提示の際に労働災害防止対策の実施者およびそれに要する経費の負担者の区分を明確にすること
(2)
この(1)の区分をもとに、下請負人は、自ら負担しなければならない労働災害防止対策に要する経費を適切に見積り、元請負人に提出する見積書に明示すること
(3)
元請負人と下請負人は、契約書面の施工条件等に、労働災害防止対策の実施者およびそれに要する経費の負担者の区分を記載して明確にするとともに、下請負人が負担しなければならない労働災害防止対策に要する経費のうち、施工上必要な経費と切り離しがたいものを除き、労働災害防止対策を講ずるためのみ要する経費については、契約書面の内訳書などに明示すること

 

まとめとして

 

本日は、下請業者が見積書に明示すべき労働災害防止対策に要する経費とその内容の取扱について解説しました。

 

先に、記載した通り「適正な見積」という定義の中には、労働災害防止対策に関する経費分をしっかりと乗せたものが含まれます。

 

このことは、下請業者側が「労働災害防止対策に関する費用がない!」という事態を防ぐ目的があります。予め法律で必要な資力を確保するための、制度です。

 

このように、近年では社会保険・労働保険の加入漏れ防止などの労働災害防止対策に関する事項も建設業界では厳格化されつつあります。