見積を行う側の建設業者は、見積書の作成でどのようなことを配慮すべきですか?

 

前回の記事では、見積を依頼する側の元受業者等の注意する点や法令上の遵守すべき点について解説をしました。

 

本日は、それとは逆に見積を行う側の下請業者等が、見積書の作成で配慮する点や注意べき点について解説を行いたいと思います。

 

下請業者の保護の観点から建設業法や「建設業法令遵守ガイドライン(国土交通省)」などで、請負契約締結に当たり書面化すべき点や見積期間等の適正な判断を行うべき猶予を与えることが定められています。

 

もちろん、適法に依頼を受けた下請業者側にも見積の作成などに関して配慮すべき点や注意すべき点はあります。

 

元請下請ともに一事業者である以上、事業者としての責任は当然発生します。本日は、見積書の作成にあたり配慮すべき点等について解説をしたいと思います。

 

見積書作成は努力義務だが、見積書作成の依頼を受けたら交付する義務が発生する

 

建設業者が建設工事の請負契約の締結に際しては、工事費の内訳を明らかにした見積を行うよう努めなければなりません(建設業法第20条第1項)。

 

見積に対しては努力義務でありますが、発注者や元請業者などの注文者から見積書の交付請求があった場合は、交付する義務があります。

 

建設工事の注文者から請求があったときは、建設業者は請負契約が成立するまでの間に見積書を交付しなければならない(建設業法第20条第2項)。

 

要するに、発注者や元受業者などの注文者から「見積書を作って!」と依頼を受けたら見積書を作成し交付しなければなりません。

 

なお、見積書の作成にあたっては、社会保険(健康保険・年金)や労働保険(雇用保険・労災保険)の加入の徹底のため、保険料がこれに含まれる法定福利費相当額を、見積書に明記すべきことや、下請契約となるものについては、下請業者は労働災害防止対策に要する経費を明示するべきとされています。

 

まとめとして

 

本日のポイントは、「見積書作成は努力義務だが、見積書作成の依頼を受けたら交付する義務が発生する」ということです。

 

建設業法は、公共の福祉の観点から下請業者の保護を定めていますが、下請業者も事業主であることに変わりはありません。

 

事業主ということは、「仕事に対する裁量権と危険の負担に関する独自の義務」があるということです。

 

雇用契約とは異なり、下請業者も仕事上請求された場合は独自に行う義務があります。本日は、見積もり作成に関する下請業者等の責任について解説しました。