建設工事請負契約を締結するにあたって、必要な見積期間を教えてください!

 

前回の記事で、「見積条件の提示(建設業法第20条第3項)」についての解説をいたしました。この見積を建設業者が適正に行うにあたり必要な期間を設けなければならないことに法律ではなっています。

 

建設工事の注文者は、随意契約方式では契約を締結する前に、競争入札契約方式では入札前に、工事の内容や契約条件等をできるだけ具体的に示して、かつ、建設業者が請負に当たって適正な見積りをするために必要な見積期間を設けなければなりません(建設業法第20条第3項)。

 

このことは、建設業者間の下請契約の場合における元請負人についても同様です。

 

この期間が充分にとられていないと、適正な見積を行うことが建設業者ができず、誤った施工や不良工事の原因にもなりかねません。また、下請取引においては追加工事等の下請工事人に不利な結果を及ぼす可能性があります。

 

結局、正しく期間をかけた見積がなされないと注文者および受注者双方に望ましい結果を及ぼさないと感じます。本日は、正しい見積に必要な見積期間について解説をしたいと思います。

 

見積期間の所用日数と算定方法

 

見積期間は、、建設業法施行令第6条第1項で工事予定金額に応じて、次のとおり具体的な日数が定められています。

 

工事予定金額(1件)が500万円未満の場合
1日以上
工事予定金額(1件)が500万円以上5,000万円未満の場合
10日以上(やむを得ない事情がある場合は5日以上)
工事予定金額(1件)が5,000万円以上の場合
15日以上(やむを得ない事情がある場合は10日以上)

 

なお、この期間は、下請負人に対する契約内容の提示日から当該契約締結日までの間に開けなければならない期間です。

 

例えば「1日以上」の場合、契約締結日は契約内容提示日の翌々日以降でなければなりません。下請負人が見積を行うための最短期間として設定されていますので、元請負人は、下請負人に対して充分な見積期間を設定することが必要です。

 

国が行う競争入札の場合には、予算決定および会計令第74条の規定により、入札期日の前日から起算して少なくとも10日前(急を要する場合は5日前)までに、官報等で公告しなければならないとされており、この期間が見積期間とみなされています(建設業法令第6条第2項)。

 

上記の入札に参加する元請業者から依頼を受けた下請業者の見積期間は、元請業者から契約内容の提示日からになります(実施見積期間)。

 

そのため、元請業者が入札先の役所から示された見積期間が優先されるのではなく、あくまでも法律上は下請業者に実施見積期間が優先されます。必要な期間を下請業者に与えないと、法令違反になります。

 

まとめとして

 

国の入札に参加しようとする元請業者が、10日の見積期間をもらい公共工事の見積を行おうと考えていたとします。

 

下請業者を探したが見つからず、ようやく7日目に下請業者が見つかりました。「1,000万円の工事だけど、時間が無いんだ!3日で見積頼む!」とその下請業者に頼んだとします。

 

この場合、1,000万円以上で、やむを得ない場合として5日の実施見積期間を設けないといけません。以上の理由から、上記の元請業者の要求は、法律違反になります。

 

このように、建設業法は細部まで気を付けるべき法律です。運用に不安の場合は建設業専門の行政書士にご相談ください。