建設業法令遵守ガイドラインでは、見積条件を具体的に提示しなければならないですが、具体的な提示すべき内容を教えてください!

 

建設業法令遵守ガイドラインについて以前ご紹介しましたが、その中に「見積条件の提示(建設業法第20条第3項)」という項目があったと思います。

 

以下のような趣旨から元請業者の優越的地位の濫用によって下請負業者が不利・不当な不公正な取引を強いられないようにガイドラインを作成し元請業者の責任を明確にしています。

 

元請負人と下請負人との関係に関してどのような行為が建設業法に違反するかを具体的に示すことにより、法律の不知による法令違反を防ぎ、元請負人と下請負人との対等な関係の構築および公正かつ透明な取引の実現を図ることを目的に策定されたものです(国総建第100号平成19年6月29日・最終改正平成29年3月)。

 

さて、本日はその中の「見積条件の提示(建設業法第20条第3項)」について、解説を行いたいと思います。

 

下請業者が見積を行うにあたり、予め元請業者が下請業者に対して提示しておくべき内容があります。

 

この見積の条件のきちんとした提示がなされないため、下請負人が不利益等を受けない様にすることが今回の目的です。

 

よくあることは、不当な追加工事などの要求につながるおそれがあります。このようなことを防止するためにも建設業法では、見積に際して以下のような工事の内容等を事前に提示することが定められています。

 

見積りに際しては、下請契約の具体的な内容を提示することが必要

 

建設工事の施工業者間で、施工責任の範囲および施工条件が不明確だと、紛争に発展する可能性があります。

 

また、下請業者が工事を適正に見積もるためには、元請負人から工事見積条件が明示されていることや、下請業者に見積り落とし等の問題が生じないように検討する機会を与えて、請負代金額の計算その他請負契約の締結に関する判断を行わせる必要があります。

 

そこで、建設工事の見積依頼時には、工事内容となるべき重要な事項をできるだけ具体的に提示することが元請業者には求められています。

 

  • 元請業者が見積りにあたって提示すべき事項

 

元受業者が見積条件として提示しなければならない内容は、建設業法にて以下の13項目が定められています。

 

1.

工事内容(最低限明示する8項目)

・工事名称
・施工場所
・設計図書(数量等を含む)
・下請工事の責任の範囲
・下請工事の工程および下請工事を含む工事の全体工程
・見積条件および他工種との関係部位、特殊部分に関する事項
・施工環境、施工制約に関する事項
・材料費、産業廃棄物等に係る元請下請間の費用負担区分に関する事項
2.
 工事着手の時期および工事完成の時期
3.
請負代金の全部または一部の前金払または出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期および支払
4.
当事者の一方から設計変更または工事着手の延期もしくは工事の全部もしくは一部の中止の申出があった場合における工期の変更、請負代金額の変更または損害の負担およびそれらの算定方法に関する定め
5.
天災その他の不可抗力による工期の変更または損害の負担およびその算定方法に関する定め
6.
価格等の変動もしくは変更に基づく請負代金の額または工事の内容の変更
7.
工事の施工により第三者が損害を受けた場合による賠償金の負担の定め
8.
注文者が工事に使用する資材を提供し、または建設機械その他機械を貸与するときは、その内容および方法に関する定め
9.
注文者が工事の全部または一部の完成を確認するための検査の時期および方法並びに引渡の時期
10.
工事完成後における請負代金の支払の時期および方法
11.
工事の目的物の瑕疵を担保するべき責任または当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときには、その内容
12.
各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
13.
契約に関する紛争の解決方法

 

  • 内容が確定していない事項は、その旨を明確にしめすことが必要

 

元請負人は、上記に示した事項のうち具体的に内容が確定していない事項がある場合は、その旨を明示しなければなりません。

 

なお、正当な理由がないにも関わらず、元請負人が下請負人に対して契約までの間に上記の事項を具体的に提示しない場合は建設業法第20条第3項に違反するおそれがあります

 

まとめとして

 

見積条件の提示に関する建設業法違反を防ぐためには、元請負人が見積条件を記載した書面を作成して、元請下請双方で保有する等の対応が望ましいです。

 

また、下請契約に含まれる作業内容等に関する双方の乖離を防ぐために、施工条件・範囲リストを活用する方法があります。

 

このリストは、建設生産システム合理化推進協議会が作成したもので、法令上の記載事項を網羅したものになります。 自社でこのようなリストを作成されるのもいいかもしれません。

 

しかし、素人の作成したものの場合漏れ等があり、不本意ながら法令に違反してしまう可能性もあります。

 

既存のリストを活用することで法規違反のリスクは大幅に削減されます。是非ともご利用ください。