経営事項審査において工事の実績等についての評価は、どのように行われるのか?

 

先日の記事において、建設業者の方の経営事項審査における審査項目について解説しました。

 

具体的な、審査の項目は以下のようにそれぞれにウエイト分けがされています。ちなみに、評価の総合評定値は、次のような計算で導き出されます。

 

総合評定値(P)=0.25X1+0.15X2+0.20Y+0.25Z+0.15W

 

内容 ウエイト比
X1
完成工事高の評点
(工事種類別年間平均完成工事高)
25%
X2
自己資本額および平均利益額の評点
15%
Y
経営状況の評点
(総資本売上総利益率、自己資本比率等の8指標)
20%
Z
技術力の評点
建設業の種類別技術員数
工事種類別年間平均元請完成工事高
25%
W
その他の審査項目の評点
労働福祉の状況
建設業の営業継続の状況
防災活動への貢献状況
法令遵守状況
建設業の経理の状況
研究開発の状況
建設機械の保有状況
国際標準化機構の定めたISO規格等の登録状況
若年の技術者および技能労働者の育成および確保の状況
15%

 

※ 評価対象とする技術者を「基準日前6か月を超える恒常的雇用関係のある者」に限定します。

経営事項審査においては、建設業者の工事実績等に基づいて完成工事高等の評価が行われます。ただし、建設業の請負の形態には様々なパターンが想定されます。

 

本日は、特に質問の多いパターンも含めて、工事実績等の評価について解説したいと思います。

 

経営事項審査の工事実績等の評価

 

経営事項審査は、経営状況についての登録機関の分析データを加味して、「経営規模、技術力、その他の審査項目(社会性等)」について、審査します。

 

この際、工事実績等に基づいて完成工事高の評点(25%)、自己資本額および平均利益額の評点(15%)、経営状況の評点(20%)、技術力の評点(25%)、その他の審査項目(社会性等)の評点(15%)の割合で総合的に評価を算出します。

 

建設業者が1社で請負った工事ならば、その業者の工事実績を基に算出すればいいと思いますが、実際は、企業共同体(JV)での施工や建設工事として計上に悩む「維持修繕・保守」などの業務等の工事実績の算出に悩むものがあります。

 

このような場合は、具体的には以下のような対応にて、工事実績を算出します。

 

  • 共同企業体(JV)で施工した工事

 

共同企業体の工事には、2種類存在します。

 

 

共同施工方式」の場合は、施工した工事について工事請負代金に各構成員の出資比率を乗じて得た額が完成工事高になります。

 

分担施工方式」の場合は、当該JV運営委員会で定めた各構成員の分担工事の額が完成工事高になります。

 

  • 維持修繕や保守点検業務

 

完成工事高に計上できるものは、建設工事に該当するものです。そのため、単なる定期点検や保守業務は建設工事に該当しないと思われるため、完成工事高に計上できません。 ただし、内装や配線、配管の変更等を伴うような建設工事の完成を目的とするものについては、建設工事に該当しますので、完成工事高に計上できます。

 

  • 出向社員である技術者

 

技術力の評点は、技術職員数、職員の資格を基に評価されます。対象となる技術職員は、審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係があり、雇用期間を特に限定することなく常時雇用されているものでなければなりません。

 

この要件を満たしている他の企業からの在籍出向者は、出向先企業の技術職員として計上できます。

 

  • 一括下請した工事

 

一括下請負を行った建設業者は、実質的に工事を行っているとは認められないため、経営事項審査における完成工事高に計上できません。

 

契約書等において、事前に発注者(施主)の承諾を得た場合以外は、工事の全部を下請に出すことは禁止されています。また、「公共工事の入札および契約の適正化の促進に関する法律」では、公共工事における一括下請が禁止されています。なお、一括下請の禁止は、二次以降の下請にも同様に適用されますのでご注意ください(建設業法第22条と公共工事の入札および契約の適正化の促進に関する法律)。

 

まとめとして

 

本日は、経営事項審査についての評価方法について、建設工事の特殊な形態等を鑑みて解説しました。

 

評価によって受注できる建設工事が異なってくるため、やはりなるべき評点を高くしたいという考え方は安易に推察できます。

 

とはいえ、近年は不正行為に対する監視も以前に比べて厳しくなっているため、正しい評点の加入は重要になります。

 

評点の加入等のお悩みも含めて、わからないことがある場合は、行政書士にご相談ください。