公共工事入札参加に必要な、経営事項審査の内容や審査方法を教えてくれませんか?

 

経営事項審査の具体的な内容や審査方法の解説について、本日より開始したいと思います。先の記事では、経営事項審査とは、「公共工事入札参加を行うために必要なセンター試験!」ということと、「工事施工能力審査を前身とした経営事項審査制度の変遷」について解説しました。

 

本日は、経営事項審査においてどのようなことを評価、審査されるかについての基本的な考え方について解説をしたいと思います。

 

経営事項審査は、公共工事の入札に参加するための客観的事項です。そのため評点された資料を基に施工業者のランク付けを行います。そのランクに従い参加できる公共工事が変わってきます。

 

高校や大学の入試の際、偏差値や内申点、センター試験などにより実質受験できる学校の振り分けが、事前にあったと思います。これに似たシステムが公共工事の入札にはあります。

 

経営事項審査の内容と審査方法

 

応急復旧工事等の特別のケースを除いて、国や地方公共団体等が発注する施設または工作物に関する建設工事で、軽微な工事を除くものを発注者から直接請負う場合は、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければなりません(建設業法第27条の23、建設業法施行令第27条の13)。

 

ここでいう軽微な工事とは、「建設業許可が必要ない建設工事」のことで、建築一式工事の場合は1,500万円(税込)未満、その他の工事の場合は500万円(税込)未満のものを負いいます。

 

要するに上記の法の趣旨は、建設業許可を必要とする公共工事を直接発注者から請負場合は、経営事項審査を受ける必要があるということです。

 

  • 経営事項審査で審査される事項

 

経営事項審査は、次の項目についての数値による評価で行われます。

 

(1)

経営状況

財務諸表等を基に負債抵抗力の指標、収益性・効率性の指標、絶対的力量の指標、財務健全の指標を計算し評点を算出します。
(2)

経営規模、技術力、その他の審査項目

経営規模等の客観的事項については、審査を申請する工事種類ごとの一定期間の年間平均完成工事高や自己資本額および利益額、技術員数や元請完成工事高などから評点を算出します。

 

※ 審査結果については、平成10年から公表されています。公共工事の発注者である公共機関は、発注に際してこれらの評点を合計した総合評定値を活用するほか、工事成績、特別な工事の実施状況等の主観的事項についても審査し、併せて判断資料にします。

 

  • 総合評定値のウエイト比

 

総合評定値は、次のような計算で導き出されます。

 

総合評定値(P)=0.25X1+0.15X2+0.20Y+0.25Z+0.15W

 

内容 ウエイト比
X1
完成工事高の評点
(工事種類別年間平均完成工事高)
25%
X2
自己資本額および平均利益額の評点
15%
Y
経営状況の評点
(総資本売上総利益率、自己資本比率等の8指標)
20%
Z
技術力の評点
建設業の種類別技術員数
工事種類別年間平均元請完成工事高
25%
W
その他の審査項目の評点
労働福祉の状況
建設業の営業継続の状況
防災活動への貢献状況
法令遵守状況
建設業の経理の状況
研究開発の状況
建設機械の保有状況
国際標準化機構の定めたISO規格等の登録状況
若年の技術者および技能労働者の育成および確保の状況
15%

 

※ 評価対象とする技術者を「基準日前6か月を超える恒常的雇用関係のある者」に限定します。

 

まとめとして

 

平成23年4月1日以降に会社更生法・民事再生法の手続を受けた再生企業は、更生(再生)期間中は総合評定値から60点の減点を受けます。また、更生(再生)期間終了後は「営業年数」の評価は0からのスタートになります。

 

官公庁の公共工事は、途中で請け負った業者が経営不振等により投げ出すことを想定していません。このことは、事前の審査で「この業者ならば、最後まで適法・適正な施工がなされるだろう」という確認を行っていることが根拠になります。

 

そのため、経営事項審査も含めて公共工事の入札には、多くの審査項目があり、そのハードルを全て乗り越える必要があります。

 

「わが社は、公共事業の入札が受けられるだろうか?」とお考えの方は、是非とも行政書士に事前の内容確認をされることをお勧めします。