建設工事に関する材料調達の契約も、営業所で行うのですか?

 

建設業の許可を受けている業者は、その許可業種に関する契約の締結を、予め届け出ている営業所で行わなければなりません。

 

では、営業所で行うべき契約締結に関する行為として、見積もり、入札、狭義の契約締結等に関する実質的な行為がありますが、具体的に完成を約する建設工事の請負契約ではない契約はどうでしょうか?

 

代表的なものに、資材調達契約などがあります。資材調達契約とは、建設工事に必要な材料などを調達する契約です。この契約自体は、「完成を約束する建設工事」ではありません。

 

建設工事請負契約でない以上、営業所でないと締結できないものではないと思われます。しかし、そのことを利用して、実質的には完成を目的とする建設工事契約の場合は、営業所において契約すべきものになります。

 

本日は、このことについて少し細かく解説したいと思います。

 

工事の完成を請負うものでなければ営業所でなくても契約は可能

 

営業所とは、本店または支店もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいいます。営業所として予め届出の無い事務所等では、建設工事に関する契約の締結はできません。

 

しかし、資材調達契約や役務提供契約は、完成を請負う建設工事に関する行為ではありませんので、営業所でなくても締結を行うことができます。

 

なお、資材調達契約や役務提供契約などのいかなる名称でも、その内容が報酬を得て行う完成を請負う建設工事の場合は、営業所でしかできません。

 

さて、以前、「建設業法でいうところの建設工事に該当する工事としない工事の違いとは?」という記事において、建設工事に該当するか否かについての具体例を掲載しました。

 

  • 建設工事に該当すると考えられる業務

 

トラッククレーンやコンクリートポンプ車のオペレーター付リース
(オペレーターが行う行為は、建設工事の完成を目的とする行為)
直接の工事目的物でない仮設や準備工の施工
(仮設・準備工事であっても建設工事の内容を有する)

 

  • 建設工事に該当しないと考えられる業務

 

発注者から貸与された機械設備の管理
ボーリング調査を伴う土壌分析
工事現場の警備・警戒
測量・調査(土壌調査、分析、家屋調査等)
建築資材(生コン、ブロック等)の納入
仮設材のリース
資機材の運搬・運送(据付等を含まないもの)
機械設備の保守・点検(修繕等を含まないもの)

 

基本的に、「建設工事に該当しないと考えられる業務」については、営業所でなくても契約は可能です。ただし、契約というものは例え「仕入れ契約」と書面で書かれていても、実態が「請負契約」ならば、その契約は「請負契約書」になります。

 

そのため、「建設工事に該当しないと考えられる業務」の契約でも、実態が建設工事請負契約ならば営業所において契約が必要です。

 

まとめとして

 

実際の契約実務では、上記のように「資材調達契約書」とか「役務提供契約書」とか単純に表題を見て判断できるものは、少ないとはいいませんがあまり問題にならない類のものが多いです。

 

むしろ「業務委託契約書」とか「覚書(おぼえがき)」、「確認書」などの一見してどんな契約なのか?どの契約に付帯するものなのか?について、読んでみないとわからないものが多いです。

 

上記のようなものは、例えば建設工事契約と資材調達契約双方の契約が絡んでいるものや、役務提供契約のはずが、建設工事請負契約と密接に絡んでいる場合が多く散見します。

 

こういった場合、内容をよく読んで建設工事請負契約書と判断される場合は、営業所で締結する」必要があります。 行政書士は契約書の作成や内容のチェックも主な仕事の一つです。分からない場合は、是非とも事前にご相談ください。