下請負人の個人事業主の方が亡くなりました。相続人に継続して工事をしてもらっていいですか?

 

前回、建設業の廃業について記事を書きました。その記事の中で、「個人で建設業許可を取得した場合は、許可はその個人だけのものになります。そのため、法人に組織変更した場合や、相続人が引続き営業をする場合は、その法人や相続人が新たに許可を取直す必要があります。」という様に、個人事業主と建設業許可の関係を書いたと思います。

 

個人事業主が建設業許可を取得していた場合、その本人の死亡により許可は取り消されます。この場合、相続人が別に建設会社を行っていて、同じ業種の許可を既に取得していれば引続き工事を継承することが問題なくできます。

 

しかし、相続人が個人事業主で建設業許可を受けていない場合はどうでしょうか?例えば、父親が親方として個人で建設業許可を取り、その下で息子が修行していた場合などです。当然、息子は修行の身ですから建設業許可は個人で取得していることは、通常ございません。

 

この場合、父親の死亡後は、息子は建設業許可のない工事しかできないはずです。本日は、途中の工事など相続人が継承できるか否か?建設業許可との関係で解説したいと思います。

 

本人の死亡前に締結した請負契約に限り相続人が施工可能です。

 

個人事業者の建設業許可は、本人の死亡により許可は取り消されます。建設業許可は相続されませんので、相続人は、同様の建設業を今後も続けたいならば、建設業許可を新たに取得する必要があります。

 

ただし、本人の死亡前に締結された請負契約に関する建設工事に限り、相続人や一般承継人が施工することができます(建設業法第29条の3第4項)。

 

まとめとして

 

日本も高齢化社会を迎え、法律関係業種への需要が男女トラブル、金銭の貸借、契約トラブルなどから、相続や事業承継に関するものへ変化をはじめています。

 

これは許認可を主に扱う行政書士にも同様に変化にさらされています。行政書士の街頭無料相談会に関する相談で一番多いものが、「遺言・相続」に関するものです。

 

もちろん、開催場所(市役所等の公共施設)や看板で「遺言・相続」と書いているからというのも原因の一つとも思いますが、それにしても近年の相談件数は目を見張るものがあります。

 

行政書士自体も、相続に関する知識は半ば必須化されつつあります。特に地域密着で考えるならば、建設業者の方やその周辺の方の相続についても相談に対応できるようにすべきと感じます。