受注した一式工事に、許可を受けていない専門工事が含まれています。この専門工事の施工はどうすればいいのか?

 

一式工事の許可を予め受けている建設業者が、新しく一式工事の契約を受注したとします。この受注した工事の中に、建設業許可を受けていない専門工事が含まれていました。

 

その場合、一式工事の趣旨からして原則元請の立場で請負うため、基本的には「対応する業種の建設業許可を受けている下請業者を使用する」が、正しいです。

 

ただし、自社でこの専門工事を行う場合は、一式工事の許可では施工できないのでしょうか?答えは、「許可を受けなくてもできます」です。

 

もちろん、このことは軽微な建設工事の場合は当たり前ですが、許可が必要な工事でも、一式工事の許可で可能です。

 

それでは、一式工事の許可を受ければどのような工事も自社行う場合は、可能であるということになります。このことについての回答は、「誤りです」ということになります。

 

一式工事の許可を受けていて、専門工事を自社で行う場合は、「その工事についての主任技術者の資格を持っているものを配置して施工」する必要があります。

 

本日は、このことについてまとめてみたいと思います。

 

一式工事に含まれる専門工事の取扱

 

専門工事を請負う場合は、原則として工事の業種区分に対応した建設業許可が必要です。しかし、一式工事の許可業者が一式工事として請負う工事の中に専門工事が含まれている場合は、その専門工事の許可を受けなくても施工することができます。

 

この場合、以下のいずれかの方法において施工することになります。

 

(1)
専門工事についての主任技術者の資格を持っている者を専門技術者として配置し施工する(一式工事の許可に対応する技術者が専門工事に対応している場合は兼務できます。)。
(2)
専門工事について許可を受けている下請業者に施工を行わせる。

 

※ 建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請負う場合において、その建設工事に附帯するその他の建設業に係る工事を請負うことができるとなっています。

 

附帯工事を自ら施工する場合は、各専門工事についての主任技術者の資格を持っているものを専任の技術者として配置することが必要です(受注した建設工事の主任技術者、監理技術者がその資格を持っている場合は、兼任可能です)。

 

自ら施工せずに下請に出す場合は、従たる工事にあった建設業許可を受けている業者に行わせる必要があります。

 

まとめとして

 
本日は、一式工事の許可を受けている建設業者が、自ら専門工事を施工する場合に専門工事の許可は必要ないが、専門工事に対応した資格ある技術者を配置することが必要ということについて解説しました。

 

また、建設工事の付帯工事を施工する場合も、その付帯工事に対応する専門工事の資格を持った技術者を配置する必要があります。

 

なぜこのようなことが必要なのかを考える上で、建設業法の目的に帰るとわかりやすいです。

 

建設業法の目的の一つに「建設工事の適正な施工の確保により、発注者を保護すること」があります。一式工事の許可を取得している、または、法律的に許された附帯工事であっても専門工事の適正な施工は必要不可欠です。

 

そのためには、最低限その専門工事に対応した資格ある技術者を配置することが必要ということは当たり前と思います。

 

上記のように建設業法は、専門家でもたまにチョンボをするほど複雑です。取り扱いには専門の行政書士をご利用ください。