建設業許可の区分、知事許可と大臣許可の違いとは?

 

以前、建設業許可の知事許可と大臣許可の違いについて、記事を書いたことがありました。今回は、この違いについて再度解説させていただきたいのですが、若干切り口を変えて行いたいと思います。

 

建設業法第3条第1項では、建設業許可を受けようとする者の設ける建設業の営業所の所在地の状況によって知事許可と大臣許可の区分があります。

 

この許可を受けようとする者の設ける建設業の営業所の所在地の状況とは、どのような状況のことをいうのでしょうか?本日は、このことについて解説していきたいと思います。

 

建設業の営業所の所在地の状況と許可区分

 

建設業の営業所とは、本店または支店もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所とされています。

 

建設業の営業所とされるには、最低限の要件として下記のようなものがあります。

 

  • 営業所の7つの要件(建設業法第3条)

 

営業所とは、本店、支店、または常時建設工事の請負契約の締結をする事務所をいい、一般的には次の要件を備えているものをいいます。

 

(1) 外部から来客を迎え入れ、建設工事の請負契約締結等の実体的な業務を行っていること。
(2) 電話、机、各種事務台帳等を備えていること。
(3) 契約締結等ができるスペースを有し、かつ、居住部分、他の事業主とは間仕切り等で明確に区分されているなどの独立性が保たれていること。
(4) 営業用の事務所として使用権原を有していること(自己所有か賃貸借契約等を締結している建物であること)。
※ 住居専用契約は、原則みとめられません。
(5) 看板、標識等で外部から建設業の営業所であることが分かるように表示してあること。
(6) 経営業務の責任者または建設業法施行令3条に規定する使用人(建設工事の請負契約締結等の権限を付与された者)が常勤していること。
(7) 専任技術者が常勤していること。

 

※ 上記の要件を満たさない単なる登記上の本店、事務連絡所、工事事務所、作業所等は、営業所に該当しません。なお、建設業許可の申請書を窓口に提出した後に、営業所の要件を満たしているかの立入検査がある場合もあります。

 

なお、許可に当たっては、建設業許可の営業所として届けられていない事務所等では、契約締結等の行為をすることはできません

 

  • 知事許可と大臣許可の違い

 

建設業の許可の種類(建設業法第3条)は、以下の2つの違いがあります。同一の業者が、知事許可と大臣許可を両方受けることはできません

 

国土交通大臣許可 2つ以上の都道府県に営業所がある場合
都道府県知事許可 1つの都道府県にのみ営業所がある場合

 

建設工事自体は営業所の所在地に関わりなく、他の都道府県でも行うことができます。例えば東京都知事の建設業許可によって、東京都内の本支店のみで営業活動は行えますが、その本支店で締結した契約で営業所のない他都道府県の工事を行うことができます。

 

なお、営業所とは、請負契約の締結に係る実体的な行為を行う事務所をいい、建設業許可の営業所の要件(建設業法第3条)を満たすものである必要があります。

 

まとめとして

 

本日は、知事許可と大臣許可についての違いについて再度まとめさせていただきました。今回、「営業所の所在の状況の違い」につて、もう少し深く掘り下げるために営業所の7つの要件についても解説を含めました。

 

これは、知事許可と大臣許可を論じる上で、営業所としての要件を満たし、かつ、許可に関する営業所の届出がないと、正式な営業所として認められないからです。

 

自称営業所、実体はただの物置みたいな場合もあります。このような場所で、重要な建設工事の契約行為を行うことは、難しいと国が考えるためです。

 

そのため、大臣許可欲しさに、他県に事務所と称した物置をおいて許可を受けることは認められないということです。

 

このように、許可の区分に関する確認も含めて、厳正に行われますので、ご心配な方は予め行政書士にご相談ください。