ネットショップにおける営業上の義務に対する注意点とは?

 

昨日掲載した記事において古物商を行う場合は「取引記録の記録義務」が発生する事を解説しました。具体的にいうと、「取引年月日」、「取引の古物の特徴、数量」、「相手の真偽を確認するために採った措置の区分」、「売却(買取)年月日」、「売却(買取)相手の住所、氏名、職業、年齢」などを記録して保存しなければなりません。

 

上記のことは、相手方と対面することを前提とした一般の古物商における「取引記録の記録義務」です。

 

さて、相手方と対面しないネットショップにおける「取引記録の記録義務」はどうでしょうか?本日は、ネットショップにおける営業上の義務について解説したいと思います。

 

非対面による古物商における営業上の義務

古物営業法の趣旨から考えれば、ネットショップの場合は、メールなどすべての記録を保存しておく方が望ましいでしょう。

 

また、取引営業所はなるべく限定して、一元管理を行えるよう管理者を設定すべきです。

 

ネットショップは、売り主と対面しないため、非対面による古物の取引を行う場合、以下のような「売主の真偽を確認するための措置」を遵守する必要があります。

 

  • 非対面による古物買取の真偽確認措置

 

非対面による古物買取を行う場合の真偽確認措置として具体的な方法は、下記の8種類が定められています。

 

①売主から電子署名を行ったメールの送信を受ける方法
認定認証事業者が証明する電子署名を利用することで、売主の真偽を確認できます。
②売主から印鑑登録証明書および登録した印鑑を押印した書面の送付を受ける方法
印鑑登録をした印鑑の印影を付した書面と印鑑登録証明書を送付してもらえば、売主の真偽確認が行えます。
③売主に対して本人限定受取郵便等を送付して、その到達を確かめる方法
本人限定受取郵便とは、郵便物等に記載された名宛人または差出人が指定した代理人一人に限り、郵便等の受取ができる方法です。法的には「到達確認」のみでは、真偽の確認のための措置の一部とされているため、本人限定受取郵便と併用することで条件を満たします。
④売主に対して本人限定受取郵便等により古物の代金を送付する契約を結ぶ方法
 これは、③の方法と逆で、本人限定受取郵便を利用することで代金支払いを行う方法です。
⑤売主の住民票の写しの送付を受け、そこに記載された住所宛に配達記録郵便等を転送しない取扱で送付して、その到達を確かめる方法
「住民票の写し(原本)」に記載された住所宛に配達記録郵便等を送付して、本人を確認する方法です。郵便物については、その表面の見やすいところに「転送不要」と記載する必要があります。
⑥売主から住民票の写し等の送付を受けて、そこに記載された本人の名義の預貯金口座等に古物の対価を入金する方法
「住民票の写し(原本)」に記載された名義人と合致する「売主指定の口座」に入金する方法です。」
⑦公的な身分証明書を活用して、配達記録郵便などを利用する方法
売主から身分証明書、運転免許証、国民健康保険被保険者証等のコピーの送付を受けて、そこに記載された住所宛に配達記録郵便等を転送しない取扱で送付して、その到達を確かめ、そのコピーに記載された本人名義の預貯金口座等に古物の代金を入金する方法です。この際の身分証明書のコピーは取引の記録とともに保存します。
⑧IDとパスワードの送信を受けること等により、売主の真偽を確認するための措置を既に取っていることを確かめること
これは、①から⑦の方法により、既に本人の真偽確認を行っている売主との間で行う方法(本人確認済の2回目以降の取引の場合)です。①については相手から送信されるメールによって「住所」、「氏名」、「職業」、「年齢」の情報を提供してもらう必要があります。
一方、②から⑦については、相手から「住所」、「氏名」、「職業」、「年齢」の情報を提供してもらう方法に制限がなく、電話やメールなどの任意の方法で構いません。

 

※ 前述した真偽確認措置のうち③、⑤、⑦の方法では、以下のいずれかの到達確認方法を行う必要があります。

 

① 送付した本人限定受取郵便等を古物と同封させて返送させる方法
② 本人限定受取郵便等により受付票等を送付して、この受付票等を古物と同封させて返送させる方法
③ 本人限定受取郵便等に受付番号等を記載して送付し、当該受付番号等を売主から電話、電子メール等により連絡させる方法
④ 本人限定受取郵便等で往復葉書を送付して、その返信部分を売主から送付させる方法
⑤ 本人限定受取郵便等で梱包材を送付して、その梱包材で梱包して古物を送付させる方法(送付した梱包材と売主から送付を受けた古物の梱包材との同一性が判断できるように、自社用で第三者が入手できない梱包材の仕様や、個別番号を付けておくなどの措置が必要です)。

 

まとめとして

 

本日は、ネットショップで古物商を行う場合の営業上の義務として、「非対面による古物買取に関する真偽確認措置」について解説しました。

 

私も、ある古物の買取を行う店舗のネットショップにおける買取に関わったことがありました。その際に指定の梱包材を利用して、古物を梱包して店舗に送付する方法を目の当たりにしています。 もちろんこの際には、運転免許証などで本人確認をして、免許証に記載された住所にて古物の受取を行いました。

 

このように、古物の買取については犯罪に関する注意を充分に行う必要があります。古物商は法的な制限がないと盗品等の流通に加担してしまう場合もございます。

 

古物商の運営に関して、分からないことなどは行政書士に事前に相談の上、万全の体制を構築して行っていただきたいと思います。