産業廃棄物とはなに?事業活動により発生する廃棄物、それは産業廃棄物!

 

本日から、宅建業免許同様に、建設業の方に密接に関係する産業廃棄物収集運搬業についての解説に入りたいと思います。

 

さて、建設業を行っていると廃材が発生します。自社で全て工事を行う場合は、その廃材を自分で収集しても差し支えありません。しかし、下請けで工事をしている現場の廃材を収集し処理すると許可が無い場合は、違法行為となります。

 

よく、元請業者から、廃材等を収集し処理するように指示を受ける場合がありますが、指示を受けた下請業者側が産業廃棄物収集運搬業の許可を取得していない場合、収集すると罰せられます。 そんなことから、近年では産業廃棄物収集運搬業の許可を取得しようとする建設業者の方が増えています。

 

本日は、この許可の解説をはじめるにあたり、産業廃棄物とは何か?について解説をしたいと思います。

 

産業廃棄物とは何か?

 

そもそも廃棄物とは、自分で利用したり売却できないために、不要となった固形物または液状のものをいいます。廃棄物処理法第2条では、この廃棄物を一般廃棄物と産業廃棄物の2つに分類しています。

 

一般廃棄物は、産業廃棄物以外の廃棄物をいい、一定の基準があるわけではなく、その時々の経済活動や環境保護を背景にした廃棄物処理法の見直しの中で産業廃棄物に該当しないとされるものすべてをいいます。

 

産業廃棄物は、法律により明確に分類され、事業活動により排出される廃棄物をいいます。産業廃棄物の種類は主に以下の2つに分類されます。

 

  • あらゆる事業活動に伴い排出されるもの

 

あらゆる事業活動に伴い排出されるものとは、業種に関係なく排出される廃棄物をいいます。主に以下の12種類をいいます。

 

1.燃え殻
石炭がら、コークス灰、重油燃焼灰、産業廃棄物焼却灰、炉清掃廃棄物など焼却残廃、廃カーボン類(廃活性炭等)
2.汚泥
有機性汚泥(製紙スラッジ、下水道汚泥等)、無機性汚泥(メッキ汚泥、砕石スラッジ等)など工場排水処理や製造工程で排出される泥状のもの
3.廃油
潤滑油系廃油(タービン油、マシーン油等)、鉱物油系廃油(揮発油、灯油等)、動植物系廃油(魚油、なたね油)、廃溶剤類(シンナー、ベンゼン)など
4.廃酸
無機廃酸(硫酸、塩酸、硝酸、フッ酸等)、有機廃酸(ギ酸、酢酸、ショウ酸等)などすべての酸性廃液
5.廃アルカリ
 写真現像廃液、アルカリ性メッキ廃液、廃ソーダ廃液、金属石鹸液などすべてのアルカリ性廃液
6.廃プラスチック類
合成樹脂くず、合成繊維くず、廃タイヤ等合成ゴムくず、廃ポリウレタン、廃シート類、合成樹脂系梱包材料くずなど
7.ゴムくず
生ゴム、天然ゴム
8.金属くず
鉄鋼、非鉄金属の研磨くず、切削くず、研磨くずなど
9.ガラスくず等
ガラスくず、ガラス繊維くず、陶磁器くず、石膏くず、耐火レンガくずなど
10.鉱さい
高炉、電気炉などの残さい、不良鉱石、不良石炭、粉炭かす等の製鉄所の炉の残さいなど
11.がれき類
工作物の新築、改築または除去に伴って出たコンクリート破片、アスファルト破片など
12.ばいじん
大気汚染防止法に定めるばい煙発生施設または焼却施設で発生するばいじんで集塵施設により集められたもの

 

  • 特定事業活動に伴い排出されるもの

 

ここでいう特定事業活動に伴い排出されるものとは、特定の業種が事業に伴って排出した廃棄物をいいます。

 

例えば、建設工事の新築、改装工事に伴い発生する木くずや、紙くずは産業廃棄物です。しかし、運送業で梱包によって出た木くずや、紙くずは運送業が特定の事業に当たらないため一般廃棄物(事業系一般廃棄物)となります。

 

このことは、オフィスで発生する紙くず等も一般廃棄物(事業系一般廃棄物)となります。 一般家庭で出るゴミも、一般廃棄物であり産業廃棄物ではありません。

 

さて、特定事業活動に伴い排出される産業廃棄物とは、以下のものをいいます。

 

1.紙くず
建設業に関するもの(工作物の新築、改築または除去に伴って生じた紙くず)、パルプ製造業、紙加工品製造業、新聞業、出版業~生じる紙くずなど
2.木くず
建設業に関するもの(工作物の新築、改築または除去に伴って生じた木くず)、木材製造業(家具製造業も含む)、パルプ製造業など
3.繊維くず
建設業に関するもの(工作物の新築、改築または除去に伴って生じた繊維くず)、繊維製品製造業以外の繊維工業から生じる木綿くず、羊毛くずなど
4.動物性残さ
食品製造業、医薬品製造業、香料製造業から生じる動物性残さ(魚、獣の骨、内臓等のあら等)、植物性残さ(野菜くず、果実の皮、油かす、茶かす等)など
5.動物性固形不要物
と畜場において処分した獣畜および食鳥処理場において処理した食鳥に関する固形状の不要物
6.動物のふん尿
畜産農業から排出される牛、馬あ、豚、鶏、毛皮獣等のふん尿
動物の死体
畜産農業から排出される牛、馬あ、豚、鶏、毛皮獣等の死体

 

  • その他の産業廃棄物

 

上記の「あらゆる事業活動に伴い排出されるもの」と「特定事業活動に伴い排出されるもの」の産業廃棄物を処分するために処理したもので、上記に該当しないものとして、有期汚泥のコンクリート固形化物などが、該当します。

 

また、輸入された廃棄物(航行廃棄物および携帯廃棄物を除く)として、処分、再生のため輸入した廃棄物も該当します。

 

さて、廃棄物処理法第3条では、「事業者は、その事業活動に伴って発生した廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」とされています。 具体的な、産業廃棄物かどうかの判断は、事業者自ら行わなけれなならないのですが、実務的には地方自治体が行っています。そのため自治体によって判断は、異なる場合があります。

 

さらに、産業廃棄物処理法では、「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれのある性状を有する廃棄物」を特別管理一般廃棄物および特別管理産業廃棄物として規定しています。

 

特に特別管理産業廃棄物は、取り扱いを間違えると大変な事態になるため、管理の方法等も厳しく規定されています。

 

まとめとして

 

いかがでしょうか?本日は、産業廃棄物について解説いたしました。本日特に覚えていただきたいポイントは、①産業廃棄物とは、事業活動に伴い排出される廃棄物をいい、②それ以外のものを一般廃棄物といいます。

 

また、事業活動に伴い発生する産業廃棄物には、①あらゆる事業活動で排出される12種類のものと、②特定の事業活動で排出される7種類のものがあります。 特に建設業の方は、②特定の事業活動で排出される7種類のものが重要になりますので、ご確認ください。

 

なお、産業廃棄物かどうかの判断について、廃棄物処理法は地方公共団体に任せています。非常にややこしいことではありますが、しっかりと確認願います。分からない場合は、専門の行政書士に相談するのもいいかもしれません。是非ともご用命の際は、ご連絡ください。