カテゴリー:建設業許可・建設業法

建設業許可が不要な軽微な建設工事の判断をする工事費には、無償提供された材料費等を含めるのか?

 

「①建築一式工事では、1,500万円(税込)未満の工事または延べ床面積150㎡未満の木造建築工事」と、「②建築一式工事以外では、500万円(税込)未満の工事」が、「軽微な建設工事」になります。

 

この軽微な建設工事か否かを判断する工事金額には、下記の注意点があります。

 

(1)
工事の完成を2つ以上の契約に分割して請負う場合は、それぞれの契約の請負代金の合計額とする
(2)
材料が注文者から支給される場合は、支給材料費が含まれる
(3)
請負代金や支給材料に係る消費税、地方消費税が含まれる

 

本日は、このなかの「(2)材料が注文者から支給される場合は、支給材料費が含まれる」について解説していきたいと思います。

 

軽微な建設工事の材料費等の該当判断基準

 

注文者が材料費を提供する場合において、その市場価格および運送費を請負契約の請負代金の額に加えたものを請負代金額とするとされています。

 

そのため、建設業許可が必要か否かの判断や軽微な建設工事に該当するか否かの判断は、請負契約の額に材料の市場価格と運送費を加えたものが請負代金額になります。

 

よく、注文者が材料費を無償提供する場合もあると思いますが、「仕事の完成を請負う」請負契約の性質上、請負う側も一つの事業主です。

 

そのため、完成に至るまでの必要な材料等も自前で供給すべきなのです。

 

よって、請負契約上の額が500万円(税込)未満(建築一式工事では1,500万円未満(税込))であっても、注文者が材料等を無償提供した場合は、その材料費および運送費を工事費に含めて500万円(税込)未満(建築一式工事では1,500万円未満(税込))でなければ、軽微な建設工事に該当しません。

 

まとめとして

 

軽微な工事を判断するにあたる基準の請負金額を、自己判断で行い無許可の営業を行っている建設会社の方が、結構多いと聞きます。

 

建設会社でも中小零細の会社などは、実務的な見解の相違により上記の違反行為をしてしまう場合が散見されます。

 

以前も申し上げましたが、無許可の営業を行い処罰された場合、新たに建設業の許可を取得したいと考えても、欠格要件に該当して5年間は許可を受けることができなくなってしまいます。

 

建設業許可についての判断は、法令判断になりますので法令の素人が勝手に判断すると、取り返しのつかないことにもなりまねません。

 

必ず、法令判断が必要な場合は、行政書士に事前にご相談ください。

建設業許可の不要な軽微な建設工事!工事1件の請負金額を分割した場合は建設業許可は要らないの?

 

先の記事で、「建設業(建設工事の完成を請負ことを営業とする者)を営もうとする者は、軽微な建設工事(建設業法施行令第1条の2)のみを請負ことを営業とする者以外は、建設業許可を受けなければなりません。(建設業法第3条第1項)」と解説しました。建設業許可は、軽微な建設工事でないものに必要ということです。

 

それでは、軽微な建設工事ならば特に許可が不要なため、いくらでも許可なく建設業を行うことができるということでしょうか?結論をいえば、そうです。例えば、1件あたり100万円(税込)の工事をいくら受けても、許可は要りません。

 

それでは、建設業許可を受けていない建設会社が1,000万円(税込)の建設工事を5分割して、200万円(税込)で請負った場合、許可は不要でしょうか?その答えは、許可が必要です!

 

本日は、軽微な建設工事に関する説明とともに、請負金額の分割について解説したいと思います。

 

許可が不要な軽微な建設工事

 

建設業法では、軽微な建設工事のみを受注するのであれば建設業許可は不要です(建設業法第3条第1項但し書き)。

 

建設業を営もうとする者は、以下の表に掲げる工事は、すべて許可を得る必要があります。以下の表に該当しない工事は、軽微な工事として許可は要りません。

 

建築一式工事以外の 業種の建設工事 1件の請負代金が500万円(税込)以上の工事
建築一式工事で右の いずれかに該当する工事 (1)1件の請負代金が1,500万円(税込)以上の工事
(2)請負代金に係らず、木造住宅で延べ面積が150㎡以上の工事
(主要構造部が木造で、延べ面積の1/2未満を居住に供するもの)

 

まとめると、「①建築一式工事では、1,500万円(税込)未満の工事または延べ床面積150㎡未満の木造建築工事」と、「②建築一式工事以外では、500万円(税込)未満の工事」が、「軽微な建設工事」になります。

 

さて、上記の請負金額の算出に当たっては次のような注意が必要になります。

 

(1)
工事の完成を2つ以上の契約に分割して請負う場合は、それぞれの契約の請負代金の合計額とする
(2)
材料が注文者から支給される場合は、支給材料費が含まれる
(3)
請負代金や支給材料に係る消費税、地方消費税が含まれる

 

なお、(1)の取扱については正当な理由に基づく分割は合算しないことになっていますが、建設業法の適用を逃れるための分割でないことを充分に証明できるものでなくてはなりません。

 

そのことから、軽微な建設工事に該当せず、建設業許可が必要な工事と考えられるケースを例示すれば、以下のようなものが挙げられます。

 

1つの工事の中で独立した工種ごとに契約があり、個別には請負代金が500万円未満だが、合計すると500万円以上になる場合
元請工期が長期の場合で、500万円未満の工事を下請した後に長期間の間をおいて再度500万円未満の工事を下請したが、合計すると500万円以上になる場合
はつり、雑工事等で断続的な小口契約であるが、合計すると500万円以上になる場合

 

要するに、請負金額を分割した場合には、ほとんどの場合は軽微な建設工事と判断されないため注意が必要です。

 

まとめとして

 

本日は、軽微な建設工事に特化した解説をさせていただきました。特に、建設業法の適用を逃れるために請負金額を分割するケースは、無許可営業となり処罰されることはもちろん、新たに建設業許可を受けようとする場合に、5年間欠格要件に該当し受けることができなくなります。

 

大きな建設工事を受注する見込みがある程度ついた段階で、建設業許可の取得をお考えいただくことが賢明と感じます。

 

行政書士は、建設業許可取得に関する専門家です。是非とも、建設業許可の取得をお考えの際は、ご相談ください。なお、建設業許可を取得する場合、書類作成期間も含め、一般的に4ヵ月程度の期間を要しますので、できればお早めにご相談ください。

設業許可は、どのような場合に必要なのですか?建設業許可が必要な建設業とは!

 

以前、「建設業許可を必要とする者(建設業法第3条)」について解説させていただきましたが、再度、違う角度から考察をさせていただきたいと思います。

 

建設業者の方の中には、建設業許可について聴いたことはあるが、いったいどんな建設会社の場合に必要なのか?疑問をもたれる方も多いかと思います。

 

その疑問については、先に記述した内容をご覧いただければと思います。今回は、前回の内容の理解を深めるために、行政書士がよく聞かれる質問に対してどのように回答するかについて記述させていただきたいと思います。

 

建設業許可が必要な建設業

 

建設業(建設工事の完成を請負ことを営業とする者)を営もうとする者は、軽微な建設工事(建設業法施行令第1条の2)のみを請負ことを営業とする者以外は、建設業許可を受けなければなりません。(建設業法第3条第1項)

 

許可を必要とする建設業者は、発注者から直接建設工事を請負う元請負人はもちろん、下請負人として建設工事を行う場合も含まれます。また、このことは、個人であっても法人であっても、同様です。

 

許可を受けずに軽微な工事の限度を超えて建設工事を行うと、無許可営業になり罰せられ、かつ、欠格要件に該当し、許可は取り消され、5年間は許可が受けられなくなります。

なお、軽微な建設工事のみを請負ことを営業する場合であっても、許可を受けること自体は差し支えありません。

 

また、軽微な建設工事のみを請負う者であっても、解体工事を請負う場合は、建設リサイクル法による解体工事業を営む者として、都道府県知事の登録を受ける必要があります。

 

※ 土木工事業、建築工事業または解体工事業についての建設業許可を受けている場合は、建設リサイクル法による知事の登録を行う必要はありません。

 

まとめとして

 

本日より、よくあるQ&Aについて解説したいと思います。具体的に関連する知識については、リンクを張りますので、よろしくご確認ください!

 

さて、建設業法についての質問で一番多いことは、業種がら行政書士の場合は建設業の許可についてで、次に多いことが下請問題や請負に関する契約書についてです。

 

このブログでは、建設業許可に始まり、公共工事の受注入札に関する経営事項審査、請負契約と紛争処理、技術者制度となるべく網羅的に全体を解説していきたいと思います。

 

つきましては、今後もお読みいただき、参考にしていただければ幸いです。

建設業法はいつ制定されたのですか?建設業許可制度は、いつできたのですか?

 

建設業法は、昭和24年に制定されました。それ以来、時代の要請により多くの改正がされ、昭和46年に建設業許可制の採用と請負契約の適正化を中心とする大改正がされました。特に直近10年間の改正は、以下のものがあります。

 

改正年 改正内容
平成18年
①「建築物の安全性の確保を図るための建築基準法などの一部改正する法律」に伴う改正(工事目的物の瑕疵担保責任または瑕疵担保責任に関する保証等の措置があった場合の請負契約書への記載義務
②「建築士法等の一部を改正する法律」による改正(一括下請条項の強化
平成19年
「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」による改正
平成26年
「公共工事の品質確保の促進に関する法律」、「入札契約適正化法」の改正に伴う改正(建設工事の担い手の育成確保、新たな業種区分の見直しにより解体工事業を新設、建設業許可等について暴力団排除条項を整備
平成28年
監理技術者の配置および技術者の専任義務についての基準金額の改正(建設業法施行令)

 

※ 上記は、建設業法の主な改正についてで、建設業許可関係の改正についてはここでは省きます。建設業許可関係についての政令等の改正経緯を含めると、膨大な量になります。

 

建設業法制定の経緯

 

昭和20年の終戦後に起こった復興景気は、建設業者の急増を招き、従来の建設業界の秩序を破壊することとなりました。

 

それは、前払い金の搾取、不正工事等の悪質な建設業者の増加、建設工事の請負契約に不当過大な義務を課されるなどの片務性の助長となり、結果として建設業界全体に対する信用問題となりました。

 

このような背景をもとにして、建設工事の特殊性と公共性を基礎に、混乱と弊害が生じている建設業界の状況を鑑みて、同法は以下の目的のもと制定されました。

 

建設業法は、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発展を促進し、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。(建設業法第1条)

 

なお、建設業法制定の以前は、建設業者を取り締まるための府県令が唯一の法的規制でした。

 

まとめとして

 

本日は、建設業法・建設業許可の制定の経緯と変転について「ざっくり」重要な部分を解説しました。

 

特に建設業法第1条の目的ができた歴史的背景には、戦後の混乱期が関わっていることを思いしみじみしてしまいます。

 

当然、現在の我々の生活に当たり前のように存在する建築物やインフラなど、建設業法が存在しない場合、ここまで整えられなかったと思います。

 

本日のような法律の制定の経緯や変転を学ぶことを、「法制史を学ぶ」といいます。このことは、法の趣旨や精神を読み解くうえで、また、それを踏まえて今後どのような改正が行われるべきかを考える上で、重要です。

 

たまには、このような歴史に思いを馳せるのもいいかもと、感じました。