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国際研修協力機構(JITCO:ジツコ)とは、どのような機関ですか?

 

以前、「技能実習生を受け入れる監理団体の監理責任者などに必要な、養成講座の受講とは?」という記事において、監理団体の管理者などが3年おきに受講する技能実習法上の義務のある養成講座は、主務大臣が適当と認めて告示した養成講習機関によって実施されると解説しました。

 

この主務大臣が適当と認めて告示した養成講習機関の一つに、公益財団法人国際研修協力機構(JITCO:ジツコ)があります。

 

養成講座の受講は、どこの研修期間で受けてもよいというわけではなく、主務大臣が認めた講習期間でなければ技能実習法上の養成講座の受講義務を果たしたことになりません。

この国際研修協力機構(JITCO:ジツコ)は、上記のような単なる養成講座の研修機関なのでしょうか?

 

それ以外にも、国から技能実習制度の適正な実施にあたり、多くの内容が期待されています。本日は、国際研修協力機構(JITCO:ジツコ)の業務内容について解説をしたいと思います。

 

国際研修協力機構(JITCO:ジツコ)について

 

公益財団法人国際研修協力機構(JITCO:ジツコ)は、英文でJapan Internaitional Training Cooperation Organization と表記されます。

 

1991年(平成3年)9月設立の法務、外務、経済産業、厚生労働、国土交通5省共管による財団法人で、設立の目的は外国人研修制度の円滑化です。

 

国際研修協力機構(JITCO:ジツコ)の設立の1年前の1990年(平成2年)に外国人研修制度において、「団体監理型」の受入れ方法が採用されました。

 

1993年(平成5年)に、諸外国への日本の技能等の移転を目的に「技能実習制度」が創設されました。その後、2017年(平成29年)に、技能実習法が施行されました。

 

さて、公益財団法人国際研修協力機構(JITCO:ジツコ)の主な業務は、研修生受け入れに関する相談、援助、地方入国管理局への申請書類の点検、研修から技能実習への移行に係る技能評価、研修・技能実習の効率的な実施に関する支援等、外国人研修制度・技能実習制度に関する総合的な支援になります。

 

まとめとして

 

国際研修協力機構(JITCO:ジツコ)は、研修生の受け入れ企業や団体に対して、研修計画の作成、海外の情報収集、、入国手続書類の作成等のアドバイスや保険加入手続等を行います。

 

また、技能実習制度の実施にあたっては、技能実習を予定する研修生の紹介、研修成果の評価、技能実習計画等の事務を行います。

 

当面注目すべきところは、監理団体等の「養成講座受講義務に関する業務」と「研修生の紹介業務」が大きいかと思います。

 

このような機関を有効活用して、技能実習生の受入れを検討してみたはいかがかと思います。

外国人技能実習生に対する監理団体・実習実施者の禁止事項には、どのようなものがありますか?

 

技能実習法では、技能実習生の保護の観点から、技能実習生を受け入れる側の監理団体や実習実施者の企業等に対して、技能実習生に対する行為の中で禁止事項を予め定め、違反した場合に対する罰則を設けています。

 

外国人労働者の受入れ企業等が、外国人の不利な立場や日本社会に対する無知に付け込み、昔から強制労働や強制貯蓄、外出の制限などの不当な制限をかけるケースは多く存在しました。

 

映画などでも中国や東南アジアの方の在留資格を国際偽装結婚などで不正に発給させ、日本での奴隷的労働を強いたものが取り扱われたこともありました。

 

人間の本性の一つには、「易きに流される」性向があることは否めませんが、それを何ら制限なく放置すると強いものには媚、弱い者には限りなく強い「力の信奉者」になってしまう場合が多数散見します。

 

力の信奉者は、弱い者を見つけると際限なく自分の要求をし続け、弱者の人権は著しく蹂躙されることになります。

 

外国人技能実習生は、概ね在留資格による活動の制限や日本社会への無知、語学力の問題など一般の日本人よりも不利なケースが多いです。

 

この不利な立場の技能実習生を受け入れる企業が、万一上記の力の信奉者であった場合には過酷な環境を強いられることは想像に値すると考えます。

 

このようなことのないように技能実習法では、監理団体や実習実施者の企業等に対して、技能実習生に対する行為の中で禁止事項を定め、技能実習生の保護に対する対策を講じています。本日は、この対策について解説をしたいと思います。

 

技能実習生の保護に関する措置

 

技能実習法では、適正な技能実習を担保するため、監理団体・実習実施者の企業等を対象として、禁止行為を法制化しました。対象となるのは以下のものです。

 

①実習監理者等
実習監理(団体監理型実習実施者と技能実習生の雇用関係斡旋や技能実習の実施に関する監理)を行う者またはその役員・職員
②技能実習関係者
技能実習を行わせる者もしくは実習監理を行う者またはこれらの役員・職員
③実習実施者等
実習実施者もしくは監理団体またはこれらの役員・職員

 

上記の者は、技能実習生に以下のことを行うことを禁止されています。

 

  • 技能実習の強制

 

実習管理者等は、暴行・脅迫・監禁当により技能実習生の意思に反して技能実習を強制してはなりません(技能実習法第46条)。

 

これに違反すると、「1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金」に処せられます。

 

実習実施者については、労働基準法第5条(強制労働の禁止)に該当し、罰則は技能実習法と同様です。

 

  • 賠償予定

 

実習管理者等は、技能実習に関する契約不履行について、違約金を定め、損害賠償額を予定する契約をしてはなりません(技能実習法第47条第1項)。

 

上記の内容は、技能実習者だけでなく、配偶者や親族等を対象とする契約も禁止されています。違反した場合の罰則は、「6ヶ月位以下の懲役または30万円以下の罰金」です。

 

実習実施者については、労働基準法第16条(賠償予定の禁止)の対象になり、罰則は技能実習法と同様です。

 

  • 強制貯蓄

 

実習管理者等は、技能実習契約に付随して貯蓄・貯蓄金管理の契約をさせてはなりません(技能実習法第47条第2項)。

 

違反した場合の罰則は、「6ヶ月位以下の懲役または30万円以下の罰金」です。

 

実習実施者については、労働基準法第18条(強制貯蓄)の対象になり、罰則は技能実習法と同様です。

 

  • 在留カードの保管

 

技能実習関係者は、技能実習生の旅券(パスポート)や在留カードを保管してはなりません(技能実習法第48条第1項)。

 

技能実習生の意思に反して保管した場合、「6ヶ月位以下の懲役または30万円以下の罰金」の対象になります。

 

  • 外出制限等

 

技能実習関係者は、技能実習生の外出その他私生活の自由を不当に制限してはなりません(技能実習法第48条第2項)。

 

技能実習生の意思に反して保管した場合、「6ヶ月位以下の懲役または30万円以下の罰金」の対象になります。

 

  • 通報・申告窓口の整備

 

技能実習生は、実習実施者等の法律違反等について、主務大臣に申告ができます(技能実習法第49条第1項)。

 

技能実習生が申告しやすいように、外国人技能実習機関では母国語による相談窓口を設けています。申告制度については、技能実習生に配布する技能実習手帳にも記載されています。

 

実習実施者等は、申告を理由に技能実習生に対して不利益な取り扱いをしてはなりません(技能実習法第49条第2項)。

 

違反した場合の罰則は、「6ヶ月位以下の懲役または30万円以下の罰金」です。

 

まとめとして

 

本日は、技能実習生の基本的人権の保護について、技能実習法上の禁止事項について解説しました。

 

先に説明しましたが、人間には「力の信奉者」になり得る危険な性向も含みます。良識ある人間は自らの自律心によりその性向を抑制しますが、すべての人間がそれが可能とは限りません。

 

環境や時代の要請、心の状態などにより抑制が効かなくなる場合もあります。法律は、こういったどうにもならない性向の最後の外的な抑制装置になります。

 

やはり可能な限り、人間は内的な抑制を働かせるような努力は必要であると感じます。

外国人技能実習生が加入する社会保険関係は、どのようなものがありますか?

 

前回、「外国人技能実習生が、日本に支払う税金関係は、どのようなものがありますか?」において、外国人技能実習生が日本に支払う税金関係とは所得税と住民税が存在し、日本人同様に納税の義務を負う旨の解説をしました。

 

その際に、労働者として当然加入する社会保険関係についての説明は省いたと思います。結論からいえば、加入する社会保険料等も支払の対象になります。ただし、労災保険などは事業所の支払になります。

 

一般の日本人も会社勤め等で雇用契約を結んだ場合、厚生年金、健康保険、雇用保険などの保険料が発生します。これと同様に、外国人も社会保険の加入については差別はありません。

 

本日は、外国人技能実習生が加入する社会保険等について解説をしたいと思います。

 

外国人が加入する社会保険等

 

外国人技能実習生は、勤務にあたり以下の社会保険等の加入しまた適用を受けます。

 

①健康保険

5人以上の労働者を雇用する個人事業所とすべての法人事業所の被雇用者が対象となる保険です。これは、事業以外の疾病やケガに対して治療費等の一部について次の給付がされる保険です。

・療養の給付(診療、薬剤等の支給、入院他)
・傷害手当金・埋葬料・出産育児一時金・出産手当金等

この保険が適用されない者は、同様の趣旨の国民健康保険に加入することになります。

②厚生年金
5人以上の労働者を雇用する個人事業所とすべての法人事業所の被雇用者の老齢、障害または死亡について保険給付することを目的とした保険で、被保険者の負担金は、毎月の給与から控除されます。
③労働者災害補償保険

業務上または通勤途上で災害を被った場合、その内容により次の補償がされます。

療養給付、休業給付、障害給付、遺族給付、障害年金、介護給付、葬祭給付です。
④雇用保険
被保険者が失業した場合、様々な給付を受けたり、雇用を安定するための様々な事業を助成することを目的とします。技能実習生のうち、倒産または事業の縮小といった特別な理由で離職した者は、再就職斡旋が可能となることから、雇用保険の受給資格決定が可能となります。
⑤外国人技能実習生総合保険
毎年、不慮の事故や疾病に遭遇する技能実習生が見受けられることから、関係法令に基づき健康保険等に加入することはもちろん、民間の障害保険等に加入することも技能実習生保護に資するといえます。

 

まとめとして

 

本日は、外国人技能実習生の加入する社会保険等についてご紹介しました。特に健康保険、厚生年金、雇用保険の負担は、技能実習生であっても日本人同様に発生します。

労働契約においては、技能実習生は日本人同様に権利は得ますが、在留資格によって活動の制限は受けます。

 

本国でないので当然かもしれませんが、日本人に比べて不便することは事実です。そのため、技能実習生保護の施策も国としては設けています。

 

その一つに、民間の外国人技能実習生総合保険などがあります。

 

この保険は母国出発から帰国までの全期間をカバーする保険で、雇用契約のない講習期間の医療における費用が補償できるものです。万全の体制を行う場合は、上記のような民間保険も必要でしょう。

外国人技能実習生が、日本に支払う税金関係は、どのようなものがありますか?

 

外国人技能実習生が日本において仕事をする場合、受入れ企業(技能実習実施者)との間で、労働契約を締結することは、前回(賃金の支払い)および前々回(労働契約)において解説しました。

 

この中で、技能実習生は在留資格による活動の制限は存在するものの、労働契約においては日本人と対等以上に扱う必要があることを説明しました。

 

このことは、相手が外国人だからといって正当な理由なく低く評価するような、差別的な扱いはしてはいけないという意味で、おもてなしの精神で優遇しなければならないという意味ではありません。

 

日本人と同様に扱うということは、日本人労働者が当然負うべき義務も外国人技能実習生には発生するということです。具体的には、納税の義務です。

 

本日は、外国人技能実習生が負うべき納税について解説をしたいと思います。

 

外国人技能実習生が支払う税金

 

技能実習生は1年目から雇用関係を締結して賃金を得るため、給与所得者に該当します。したがって、日本人従業員と同様に、税金の納税義務が発生します。具体的には、以下の税金があげられます。

 

①所得税
毎月給与支払の都度、事業者(納税義務者)によって所得税が引かれ、納税される源泉徴収制度が適用されます。年末あるいは帰国時には、年末調整あるいは確定申告を行う必要があります。
②住民税
技能実習生は、1年以上居住する居住者(非永住者)に該当することから、居住後1年後から前年の給与所得に課税されるため、2年目から源泉徴収されます。帰国する際には、既に年間の納税予定額が確定しているため、帰国前の最終賃金支給月に当該年度の住民税未徴収額を一括源泉徴収する必要があります
③配偶者控除等
技能実習生が母国に配偶者や扶養家族がいて、生活費等を支給している場合、事前に税務署長に申告を行うことで、所得税・住民税の配偶者控除・扶養控除を受けることができます。

 

※ 社会保険関係の解説は、次回以降にします。

 

まとめとして

 

本日は、外国人の支払う税金について解説しました。なお、社会保険関係等の徴収分については、今回の説明の中には入っていません。

 

社会保険関係の徴収分については、次回以降解説したいと思います。

 

さて、日本人の給与所得者同様に、労働関係において同等の権利を有するということは、同じく義務も発生します。

 

外国人だから税金を免れるというわけではありませんし、当然日本の法律に触れるようなことを行えば罰せられます。

 

本日は、外国人についても同じような義務が発生する事を解説するため納税について触れました。