投稿者:tajibiki0825

 

貨物軽自動車運送業の届出の5つの要件とは?

 

前回、「軽自動車やバイクで行う運送事業、貨物軽自動車運送事業とは?」にて、軽自動車において運送事業を行う場合に一般貨物自動車運送事業許可の申請の際の要件である欠格事由はない旨を説明しました。

 

このことは、届出者が、以下に該当する場合でも貨物軽自動車運送事業を行うことが可能ということです。

 

申請者は、個人であれば個人事業主、法人であれば役員全員が、刑法犯罪や運送業の取消を受けた、未成年者・成年後見人等で法定代理人が刑法犯罪や運送業の取消を受けた場合などが該当します。

 

貨物軽自動車運送事業は、運送事業の中で一番簡単な手続きで事業を開始できますが、全く要件がないというわけではありません。

 

本日は、その要件について解説をしたいと思います。ただし、内容は一応の要件と感じるものばかりなので、あまり構えて 考えなくてもよいと思います。

 

貨物軽自動車運送業の届出の5つの要件

 

貨物軽自動車運送事業を開始する場合は、以下の要件を満たす必要があります。

 

(1)営業所と車庫の距離
2km以内とされています(自動車の保管場所の確保等に関する法律第3条、自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令第1条第1項、運輸省告示第340号(平成3年6月25日))
※ 実際の軽自動車の車庫証明の届出(自動車保管場所届出書)と同じ要件です。
(2)事業用自動車の構造
4ナンバーか8ナンバーの貨物車両であることが必要です(バイクを除く)。
※ 5ナンバー(乗用)でも届出はできますが、構造変更検査に合格する必要があります。バイクの場合は、構造変更検査はありません。
(3)車庫
・都市計画法等の関係法令に抵触していないことが必要です。
・事業用自動車のすべてが収容可能であることが必要です(前後左右50㎝の余裕は不要)。
・使用権原(使用するに問題ない契約等がある)を有していることが必要です(自認で証明)。
・他の用途に使用される部分と明確に区分されていることが必要です。
(4)休憩・睡眠施設
乗務員が有効に利用することができる適切な施設であることが必要です(面積・施設要件なし、自宅可)。
(5)管理体制
・運送約款は、荷主の正当な利益を害するおそれがないものである必要があります(通常は、標準約款を使用する)。
・運行管理体制を備えていることが必要です(通常、運行責任者として届出者を記載のみ)。
・営業所や休憩・睡眠施設は、都市計画法等関係法に抵触せず、使用権原(使用するに問題ない契約等がある)を有していることが必要です(自認で証明)。
・事業用自動車は、1台以上必要です。
・損害賠償能力は、充分な賠償能力を有していること(賠償額に具体的な規定なし)

 

※ 上記の基準は、主に「貨物軽自動車運送事業の経営届出等の取扱について(公示)」により示されています。

 

まとめとして

 

貨物軽自動車運送事業の届出は、当日窓口での受付のみで終了し、特に審査はありません。強いて言えば、必要書類の確認程度です。

 

ただしこのことは、もしも届出内容に虚偽があることが、後日に判明した場合に何らかのお咎めがあるということでもあります。

 

必要書類の作成内容は、可能な限り実態に即したものであることはいうまでもありません。

 

また、貨物自動車運送事業全般にいえることですが、ローカルルールが強いため、提出書類などは予め管轄の陸運支局に確認が必要です。

軽自動車やバイクで行う運送事業、貨物軽自動車運送事業とは?

 

以前、貨物自動車運送事業全般の解説を行った際に、貨物軽自動車運送事業についても解説させていただいたと思います。

 

貨物軽自動車運送事業法による貨物軽自動車運送事業の定義は、以下のようになります。

 

他人の需要に応じ、有償で自動車(三輪以上の軽自動車および二輪の自動車を限る)を使用して貨物を運送する事業をいいます(貨物自動車運送事業法第2条の4)。

 

先般解説した一般貨物自動車運送事業は、軽自動車やバイクを除く事業用自動車を使用して他人の需要に応じ、有償で運送事業を行うことをいいますが、貨物軽自動車運送業は、軽自動車やバイクを使用して運送事業を行うことをいいます。

 

この貨物軽自動車運送事業は、一般貨物自動車運送事業同様に何か許可を取得する必要はあるのでしょうか?本日は、この貨物軽自動車運送事業の概要について解説をしたいと思います。

 

貨物軽自動車運送事業とは?

 

貨物軽自動車運送事業は、一般貨物自動車運送事業とは異なり許可申請ではなく「届出」によって事業を開始することができます。

 

届出」とは、以前許認可制度全般の解説の中で以下のように説明しました。

 

届出

ある行為を行うにあたって、行政に対して事業者が一定の事項を通知すること

深夜酒類提供飲食店の届出、性風俗関連特殊営業の届出など

 

届出」は、許認可と違い事業に対する素養・能力・適性を審査して、基準を満たせば事業を行えるものとは性質上異なり、あくまでも事業者として「一定の事項を通知すること」です。

 

そのため、比較的許可に比べて申請内容も簡単なものになります。

 

さて、貨物軽自動車運送事業は三輪以上の軽自動車や二輪の自動車を使用する運送事業を指します。そのため、バイク便もこの「届出」の範囲に基本的に入ります。

 

ただし、バイクは125㏄超の軽二輪、小型二輪車がこの範囲内となり、125㏄以下の原動機付自動車は「届出」がなくても運送事業ができます

 

一般貨物自動車運送事業許可の申請の際の要件である欠格事由は、貨物軽自動車運送事業の場合ございません。

 

まとめとして

 

この手続きは、一般貨物自動車運送事業許可と異なり、特段の審査を経ずに窓口の手続きのみで終了します。

 

そのため、違法な状態で経営しないように、自ら事前に確認をする必要があります。

 

とはいっても、実際やってみると意外と簡単で専門家のてを借りなくてもできてしまう方が多いです。

 

車やバイクに詳しい方は、是非ともトライしてみると面白いかもしれません。

貨物利用運送事業の登録の際に満たすべき3つの要件!

 

前回、「自社でトラックを持たず、外注で運送業を行う貨物利用運送事業とは?」にて、貨物利用運送事業の定義について解説いたしました。

 

その際、貨物利用運送業を行う場合、国土交通大臣の行う登録を済ませる必要がある旨も重ねて言及しました。

 

以前、許認可制度全般の解説の中で登録という分野についても以下のように解説させていただきました。

 

登録

登録簿に記載されることで事業を行うことができること

倉庫業登録、電気工事業登録、建築士事務所登録など

 

貨物利用運送事業も国土交通大臣の登録簿に記載されることで事業を行うことが可能になります。これは、申請に対して一定の素養・能力・適性などを満たしているか否かの審査をして、満たしている場合、法律的に禁止されていることを特別に解除する「許可」とは性質上異なります。

 

行政書士も事業を行う場合、登録を行います。試験の合格者などの既に一定の素養・能力・適性などを満たした者が事務所の要件や欠格事項に該当しないことを確認して、登録されます。

 

さて、本日は貨物利用運送事業の登録についての3つの要件について、上記のことも踏まえてご確認ください。

 

貨物利用運送事業の登録についての3つの要件

 

貨物利用運送事業を行う場合、以下の要件を満たすことで、国土交通大臣の行う登録がなされます。

 

  • (1)業務遂行に必要な施設

 

使用権原のある営業所、店舗を有していること(設備要件、面積要件などは特になし)
①の営業(所等が都市計画法等の法令に抵触していないこと
保管施設を必要とする場合は、使用権原のある保管施設を有していること
③の保管施設が都市計画法等の法令に抵触していないこと(建築基準法上の適応の可能性も要確認)
③保管施設の規模や構造および設備が適切なものであること

 

  • (2)財産的基礎

 

純資産300万円以上を所有していることが必要です(個人であれば、資産調書(預金)で直近の財産を示し、法人であれば、直近決算書の貸借対照表純資産の部の合計額を示す)。

 

  • (3)登録拒否事由に該当しないこと

 

以下の登録拒否事由に該当しないことが必要です。

 

1年以上の懲役または禁固以上の刑に処せられて、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
第1種貨物利用運送事業の登録または第1種貨物利用運送事業の許可の取り消しを受けて、その取り消しの日から2年を経過しない者
申請前2年以内に貨物利用運送事業に関して不正な行為をした者
法人であって、その役員(同等の職権や支配力を有する者を含む)のうち③に該当する者のあるもの

船舶運航事業者もしくは航空運送事業者が本邦と外国との間において行う貨物の運送(以下「国際貨物運送」という)または航空運送事業者が行う本邦内の各地間において発着する貨物の貨物の運送(以下「国内貨物運送」という)に係る第1種貨物利用運送事業を経営しようとするものであって次に掲げる者に該当するもの

1.日本国籍を有しない者
2.外国または外国の公共団体もしくはそれに準ずるもの
3.外国の法律に基づいて設立された法人その他の団体
4.法人であって、1.から3.までに掲げる者がその代表者であるものまたはこれらの者がその役員の1/3以上もしくは議決権の1/3以上を占めるもの

 

まとめとして

 

本日は、関東運輸局公示基準「貨物利用運送事業の許認可処理基準等について」から、貨物利用運送事業の登録に一般的に必要な審査基準を抜粋させていただきました。

 

以前も解説しましたが、運送業に関する解釈や要件の基準には、ローカルルールが強くはたらきます。

 

東京都ではOKの基準でも、他県では一から確認が基本的に必要です。ただし、大きく上記の基準を外れることは考え難いとは思いますが・・・

 

運送業の許認可は、多くの法律が絡み、複雑で時間のかかるものです。申請をお考えの場合は、必ず専門の行政書士に「要件調査」から相談ください。

自社でトラックを持たず、外注で運送業を行う貨物利用運送事業とは?

 

先日まで、貨物自動車運送事業についての解説をさせていただきました。この事業は、他者の依頼を受けて有償で運送事業を行う事業のことで、自社で車両等の施設を用意したり、その保管や営業所などについても必要な条件を満たす必要があります。

 

貨物自動車運送事業とは、自社のトラックなどの車両を使用して運送事業を行うことで、貨物自動車運送事業法の規定に基づいて運営されます。

 

当然ながら、自社で車両を用意して運送事業を行う場合、貨物自動車運送事業法第1条の趣旨に則り健全に運送を行うためには、事業計画の上でも慎重なものが要求され、必要な資金としても1,000万円から2,000万円位用意することが一般的です。

 

さて、実際の運送業を行うにあたり、コンスタントに希望する仕事の量によって会社を運営できればそれに越したことはないのですが、どの仕事もそうですが仕事量の波のようなものは存在します。

 

突発的な需要に対して、上記の貨物自動車運送事業のみでは賄えない場合も存在します。この場合、当然外注業者を利用することが多いと思います。

 

このように、自社の車両を利用せずに運送事業を行うことを貨物利用運送事業といいます。

 

本日からこの貨物利用運送事業について解説をはじめたいと思います。

 

貨物利用運送事業とは?

 

貨物利用運送事業法において、貨物利用運送事業は以下のように定義されています。なお、貨物利用運送事業には、船舶、航空、鉄道に対するものも存在しますが、このブログではあくまでも貨物自動車運送事業を利用するものについての解説に限らせていただきます。

 

この法律において「実運送」とは、船舶運航事業者、航空運送事業者、鉄道運送事業者または貨物自動車運送事業者(以下「実運送事業者」という)の行う貨物の運送をいい、「利用運送」とは、運送事業者の行う運送(実運送に係るものに限る)を利用する貨物運送をいいます(貨物利用運送事業法第2条)。

 

実運送とは、運送事業の必要な許可などを受けた実運送事業者が行う貨物の運送をいいます。前回まで解説した一般貨物自動車運送業は、この実運送を行う実運送事業者に含まれます。

 

利用運送とは、上記の実運送事業者を利用する貨物の運送をいいます。

 

この法律において「第1種貨物利用運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、利用運送を行う事業であって、第2種貨物利用運送事業以外のものをいいます(貨物利用運送事業法第2条の7)。

 

第1種貨物利用運送事業とは、例えば実運送事業者として必要な許可を受けた一般貨物自動車運送事業者に仕事を外注して運送を行わせることをいいます。

 

第1種貨物利用運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の行う登録を受けなければなりません(貨物利用運送事業法第3条)。

 

一般貨物自動車運送事業の場合は、許可を受ける必要がありましたが、第1種貨物利用運送事業の場合は登録になります。

 

まとまれば、第1種貨物利用運送事業とは、自社ではトラックなどの事業用自動車を持たず、実際の運送は全て外注の実運送事業者に任せる形式で、業界用語で「水屋」と呼ばれます。

 

なお、依頼者への運送の全責任は、利用運送事業者が負います

 

よく聞く、仕事の紹介をした後は、依頼者と実運送事業者がすべてのやり取りをして、トラブル等についても依頼者と実運送事業者間で解決するのであれば、その形式(求車求貨システムなど)は利用運送ではなく取次事業です。

 

なお、仕事を紹介するのみで自社では責任を負わない取次事業の場合は、許可などは不要です。

 

まとめとして

 

貨物利用運送事業についての詳細な解説は、「貨物利用運送事業についてのQ&A」が参考になります。

 

ここで、貨物自動車運送事業と貨物利用運送事業、運送取次事業の違いを表にしてみたいと思います。

 

運送事業 特徴 許可等の必要性 根拠法
貨物自動車運送事業
自社の事業用自動車を使用して貨物を運送(運送の責任は自社で負う)
許可等が必要(例:一般貨物自動車運送事業許可)
貨物自動車運送事業
貨物利用運送事業
実運送事業者に外注して、自社の事業用自動車等を使用せず貨物を運送(運送の責任は自社で負う)
貨物利用運送事業の登録
貨物利用運送事業法
運送取次事業
運送の仕事を実運送業者へ紹介するのみ(運送の責任は実運送業者が負う)
許可や登録の必要はなし
貨物利用運送事業法

 

平成15年に貨物運送取扱事業法が、貨物利用運送法に改正されました。その際、許可制であった利用運送業が、登録制に改められました。また、登録制であった運送取次事業も、登録せずに行うことができるようになりました。

 

規制が緩和されて、運送業界への参入が容易にはなりましたが、多重下請問題などの課題は山積です。特に運送取次事業者にはピンハネ等の懸念をもたれることも、当然かもしれません。

 

ただし限られた経営資源の中で、需要と供給を調整する人間が必要なことも運送業界では重要なことになります。

 

とにもかくにも、仕事を円滑に回していく努力と模索が常になされている業界であることは事実でしょう。

今すぐ電話で無料相談!